日立製作所の鉄道システム事業を担う日立レールは,オーストリア共和国においてオーストリア連邦鉄道(ÖBB)から最先端のデジタル連動信号技術の導入に向けた信号デジタル化プロジェクトを受注したと発表した.
契約は総額13億ユーロ(約2340億円)で,期間は30年間におよぶ長期包括契約となる.選定された2社のテクノロジーパートナーのうちの1社として,安全に関わる重要なソフトウェアの開発からインフラネットワーク全体への展開,設備の長期保守サービスまでを担う.
本プロジェクトは,ドイツで開催された世界最大の鉄道の国際見本市「イノトランス」において,オーストリア連邦大臣ピーター・ハンケ氏の臨席のもと,オーストリア連邦鉄道インフラストラクチャー取締役会メンバーのヨハン・プルイ氏により正式に発表された.
オーストリアのインフラネットワーク全体を対象とし,利用頻度の高い幹線から地域路線・支線まで効率的かつ拡張性の高い導入を可能にする.約300ユニットのデジタル連動装置を対象とした,欧州の鉄道インフラ分野でも最大規模かつ戦略的に重要な取り組みであり,既存の電子連動装置をデジタル化・標準化・集中化されたアーキテクチャへ段階的に置き換える.
プロジェクトにより,信頼性や可用性の向上に加え,長期的な経済効率の実現を目指す.シェアードコンピューティングやプラットフォームリソースの活用,標準化されたコンポーネントの導入などによりシステムの複雑性と保守負荷を低減し,鉄道ネットワークのレジリエンスを高めて安定した運行と迅速な障害復旧を支える.
主要業務の多くは日立レールのウィーン,ハンデルスカイの拠点で担うことになっており,安全運行の観点で重要なソフトウェア機能の開発やエンジニアリングサービス,長期保守などを提供する.
プロジェクトに関連して,高度な専門性を有する人材を新たに40名採用する予定である.日立レールはオーストリアで60年以上にわたり事業を展開しており,現地のエンジニアリング力とグローバルな専門知見を融合させることで,欧州全域のさらなる鉄道デジタル化に貢献していく方針を示している.
各金額は1ユーロ=180円で計算
画像:日立製作所提供













