鉄道ファン2026年10月号(通巻786号)
『鉄道ファン』2026年10月号
2026年8月20日発売
定価1300円(税込)

Suica利用可能駅,2030年代初めにJR東日本管内全駅に拡大へ

JR東日本E235系

写真:JR東日本E235系  編集部撮影  東京総合車両センターにて  2015-3-28(取材協力:JR東日本)

JR東日本は,2030年代初めに同社管内の全駅でSuicaの利用を実現する方針を発表した.

Suica利用可能駅,2030年代初めにJR東日本管内全駅に拡大へ

▲JR東日本全駅でのSuica利用の実現に向けたロードマップ
 ※イラストは生成AIで作成されたもの.
 ※「Suica」は東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です.

 これは,グループ経営ビジョン「勇翔 2034」に掲げる,鉄道を中心とした「モビリティ」と「生活ソリューション」のそれぞれの成長,両者のシナジーによる二軸経営を支える「SuicaRenaissance」の第5弾として進めるもの.

Suica利用可能駅,2030年代初めにJR東日本管内全駅に拡大へ

▲6つのSuica利用エリアの統合

 現在,Suicaの利用エリアは首都圏,仙台,新潟,青森,盛岡,秋田の6つに分かれており,エリアをまたいだチャージ残高(SF)やSuica定期券によるタッチ&ゴー乗車はできなかった.2023(令和5)年5月から進めてきたセンターサーバー方式への移行が2026(令和8)年度末に完了することで,6つの利用エリアがJR東日本全体でひとつに統合される.

▲JR東日本全駅でのSuica利用の実現

 エリアの統合で,エリアをまたぐ相互間の移動でもタッチ&ゴーによるスムーズな乗車が可能になり,Suicaの導入が一段と加速することになる.
 システム移行にともない,2026年度末には東北本線や常磐線,奥羽本線,羽越本線,大船渡線,上越線,久留里線の計32駅で新たにSuicaが利用可能となる.

Suica利用可能駅,2030年代初めにJR東日本管内全駅に拡大へ

▲2026年度末に新たにSuicaを利用できる駅(32駅)

 2026年度末時点におけるSuica利用可能駅の割合は約60%にとどまるが,JR東日本はより早期の全駅利用を目指し,新たな改札ソリューションを順次導入する.
 これにより,非対応駅で降車時に実施していた現金精算や,次回乗車時に必要となる「前回入場記録の取り消し処理」といった利用者の負担や不便を解消する.

Suica利用可能駅,2030年代初めにJR東日本管内全駅に拡大へ

▲どこでも改札(仮称)の設置イメージと端末イメージ

 新たな改札ソリューションについては,これまで,位置情報などを活用した「スマホ改札(仮称)」により,2030年代中ごろまでにJR東日本全駅でSuicaの利用を可能とする計画であったが,より早期に実現するため,2030(令和12)年度から「どこでも改札(仮称)」を「スマホ改札(仮称)」に先行して順次導入する.
 「どこでも改札(仮称)」はタブレット端末などの汎用端末を活用し,SuicaカードやモバイルSuicaのタッチ処理を行なう方式で,車両や駅に柔軟に設置できる特徴を持つ.運転本数の少ない線区では列車内への搭載も検討されており,GPS機能を利用して1台の端末で複数駅に対応させることでスピーディーなサービス提供を図る.

Suica利用可能駅,2030年代初めにJR東日本管内全駅に拡大へ

▲スマホ改札(仮称)のイメージ

 利用者のスマートフォン機能を活用した「スマホ改札(仮称)」は,GPSなどにより入出場を判定するため,駅に改札機などの物理機器を設置することなくモバイルSuicaのエリア拡大を可能とする.
 全駅でのSuica利用実現により,これまでサービスエリア外であった地域においても,移動と少額決済の枠を超えた「生活のデバイス」としてのSuica利用が広がることになる.
 地域の新たな「当たり前」を創出する「ご当地Suica」や,生活ソリューションと鉄道ソリューションを組み合わせた各種クーポンの活用が可能となり,都市と地域を結ぶデジタル化を促すことで利用者の体験価値向上と心豊かな生活の実現を目指す.

一部画像はJR東日本提供

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