▲新形レール削正車「きずな」(ROMILL600)
近畿日本鉄道は,列車運行の安全性向上や乗り心地の改善,省メンテナンス化を目的とし,2026(令和8)年9月から新形レール削正車「きずな」(形式:ROMILL600)を導入すると発表した.
列車が走行する際は,車輪との接触によってレール表面に金属疲労や傷が蓄積し,傷が発生しやすくなる.この傷を放置すると,表面から内部へと進展してき裂となり,最終的にはレール折損を引き起こす可能性がある.
近鉄ではこれまで,回転する砥石でレール表面を削正する「グラインディング式」を採用してきたが,「きずな」ではカッター刃でレール表面を切削する「ミリング式」を採用し,仕上げ削正として「グラインディング式」を併用する.
この削正方式の導入により,1回の作業における施工距離が現行の約2倍に延伸され,作業効率の大幅な向上
を見込んでいる.
従来の「グラインディング式」では発生していた火花がミリング式ではほとんど出ないため,従来必要だった対応作業員3人が不要となり,大幅な省力化を実現する.あわせて,削正で発生した切りくずは車体のコンテナに集積されてすべてリサイクルされるため,環境負荷の低減にも寄与する.
輪軸を交換して改軌できる機能も備えており,標準軌だけでなく南大阪線や吉野線などの狭軌線区を含む同社の全線区での作業が可能となっている.
車両はドイツのローベル社が車体を製造し,ミリング装置はドイツのシュベアバウ・インターナショナル社,仕上がり検測装置はオーストリアのフォーゲル&プレッチャー社がそれぞれ製造した.
主要寸法は全長17.0m,全幅2.7m,全高3.7mで,総重量は約60tとなっている.名称の「きずな」は,社内公募と社員投票により決定されたもので,「レールの傷(きず)を無(な)くす」という意味と,現場係員の団結力や結束を示す「絆(きずな)」を掛け合わせ,レール折損を未然に防ぐ強い思いが込められている.
「きずな」は,2026(令和8)年5月28日(木)に近鉄京都線宮津基地へ到着しており,今後は到着後の整備を経て9月ごろから本線での削正作業を開始する予定となっている.
なお,近畿日本鉄道公式YouTubeチャンネルでは,新形レール削正車「きずな」の紹介動画が公開されている.
画像はすべて近畿日本鉄道提供














