
▲新たな新幹線専用検測車「E927形(愛称:SOAR)」
JR東日本は,新たな新幹線専用検測車「E927形」について,デザイン(カラーリング)と愛称を決定したと発表した.
▲新たな新幹線専用検測車「E927形(愛称:SOAR)」
E927形は,現行の電気・軌道総合検測車であるE926形「East i」の最高速度275km/hから向上し,320km/hでの検測を行なう.検測エリアは同社管内の東北・上越・北陸・山形・秋田新幹線で,320km/hの最高速度での検測は日本国内で初となる.
愛称は水戸事業本部所属の社員が考案した「SOAR(ソアー)」で,グループ経営ビジョン「勇翔2034」からとり,「勇ましく、翔け上がる」という意味を込めて名付けた.安全を基盤としたうえで安心と感動の実現という,かつてない高みを目指して勇ましく翔けていくことをイメージしている.
「SOAR」は英語で「翔ける」という意味で,安全に向かって翔けるという意味も込められている.またアルファベットの「O」には究極の安全を目指す事故事象「0(ゼロ)」の意味も込められている.
▲デザイン・カラーリング
デザインは,東京事業本部所属の社員が考案したものが採用された.現行の「East i」の白を基調としたデザインを継承し,同社のコーポレートカラーや「East i」の赤色を意識した赤系統と緑系統の色が配置されている.側面はアシンメトリー(左右非対称)なデザインとし,線路や架線などが常に同じ状態ではないことと,それらを検測し安全につないでいくという「検測車の使命」を表現している.
今後は意匠や商標の出願手続きを進めるとともに,デザイン考案者とE10系などの実績があるデザインオフィス「tangerine(タンジェリン)社」が連携し,2026(令和8)年秋ごろを目途に実車デザインの細部を仕上げていく.また,愛称についても今後はロゴなどを検討していく予定.
▲PQ推定システムを活用した効果的な予防保全のイメージ
E927形には,線路状態の評価や沿線環境把握のための2つの装置が新たに開発・装備される.車輪とレール間に作用する力を推定する「PQ推定システム」は,公益財団法人鉄道総合技術研究所が開発した技術をベースに,現在はJR東日本の研究開発センターで装置化の開発が進められている.
台車に取り付けた複数の変位計や加速度・ジャイロセンサにより,走行中の台車の動きを測定し,上下方向の力(輪重P)と左右方向の力(横圧Q)を推定する仕組みである.従来の「レールのゆがみ」の測定値にこのデータを加えることで,ゆがみが進行しやすい箇所を明確にし,優先的な整備を行なうことで効果的な予防保全を目指す.
▲新幹線車上撮影装置(仮称)の概要
1号車と7号車の前頭部に各8台,3号車の側方や天井部分に32台の計48台の高精細カメラを設置し,走行しながら周囲の画像を連続撮影することで設備の状態や沿線の環境を詳しく記録する「新幹線車上撮影装置(仮称)」も導入する.
これにより,設備状態の前回比較による検査などのさらなる効率化や,列車運行支障の恐れのある沿線木などをリサーチすることで,沿線環境をより正確に把握することができる.今後は,画像確認に対してAI技術を用いた自動判定・抽出の導入に向けた開発が予定されている.
同社はこれらのAIやDX技術の活用により,高速輸送サービスの安全性向上を図るほか,320km/hでの高速走行検測への対応を通じて,省人化や遠隔からの無人検測の実現に向けた取組を進める.
画像はすべてJR東日本ニュースリリースから













