鉄道ファン2026年8月号(通巻784号)
『鉄道ファン』2026年8月号
2026年6月19日発売
特別定価1400円(税込)

JR東海・JR西日本
東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

JR東海とJR西日本は,N700S(16両編成)を対象に,新たな上級クラス座席「Supreme Class(スプリームクラス)」を,2026(令和8)年10月1日(木)の“のぞみ1号”(東京6:00発)から導入すると発表した.

 これは,生活様式や働き方の変化にともない多様化する利用者のニーズに対応し,グリーン車よりもさらに上質な設備やサービスを求めている声があったことから,さまざまなシーンで利用できる空間を提供するもの.東海道新幹線においては2003(平成15)年以来,23年ぶりに個室が復活する.
 設備の名称「Supreme Class」には,グリーン車を超える最上位クラスであり,最高の品質やサービスを 提供するという想いを「Supreme(最高の)」で表現している.
 ロゴ(商標登録出願中)は,中央の曲線でSupreme Class の頭文字「S」を表現しており,車窓をイメージした外形の中に東海道・山陽新幹線沿線の特徴的な風景(富士山や海原)が描かれている.色は日本の伝統工芸である黒漆や金蒔絵をイメージしたものとしている.
 「Supreme Class」には,個室タイプの「Cabin(キャビン)」や,半個室タイプの「Seat(シート)」の2つの設備が用意されている.現在のグリーン車の発売価格を念頭に,提供される設備やサービス水準に見合った価格設定とする.

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

▲7号車に設置される「Supreme Class Cabin」(2名利用可)

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

▲位置図

 個室タイプの「Cabin」は,7号車や10号車にある業務用スペースを活用して設置され,7号車に1編成1室(2名利用も可),10号車に1編成1室(1名利用)が配置される.
 いずれも鍵(電子錠)付きの扉を設けることで,プライベート感やセキュリティを確保した環境を整備している.ネット予約サービス(エクスプレス予約やスマートEX)のシステムと連携したこの解鍵システムは,鉄道車両として国内初となる.

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

▲10号車に設置される「Supreme Class Cabin」(1名利用)

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

▲位置図

 室内にはレッグレスト付きのリクライニングシート,専用Wi-Fi,大形テーブル,航空機内持ち込みサイズ(55cm×40cm×25cm以内)のスーツケースが収納できる荷物置き場が備わっており,7号車にはソファも配置されている.専用のタブレットを使用することで,照明,空調,放送,音響なども個別に調整できる.

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

▲大形バックシェルタイプの座席が採用される「Supreme Class Cabin」(10号車)

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

▲「Supreme Class Cabin」は,転換することで向かい合わせての利用が可能
 ※実際は,車内の通路と座席の間を仕切る壁があります.

 半個室タイプの「Seat」は,2027(令和9)年度中にサービス開始を予定しており,10号車のグリーン車座席5列分のスペースに計6席が設置される.

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

▲位置図

 通路や座席の間に出入り用の鍵付き扉を設け,大形バックシェルタイプの座席を採用している.Cabinと同様にレッグレスト付きリクライニングシートや専用タブレットなどの設備を備えているほか,座席を転換させることで前後での対面利用も可能となっている.

東海道・山陽新幹線で上級クラス座席「Supreme Class」を10月1日から導入

▲沿線の伝統的な工芸品を組み込んだオーナメントのイメージ(左:JR東海編成「美濃焼」/右:JR西日本編成「博多織」)

 車内設備には,鉄道車両としては世界で初めて,音漏れを低減したNTTグループの特許技術「PSZ」によるシートスピーカーを搭載し,個人のデバイスとBluetoothで接続できる.周囲への音漏れを防止する個別スピーカーの採用は,公共交通機関として国内で初めてとなる.
 鉄道車両として世界初となる,5G対応の透明ガラスアンテナを用いた専用Wi-Fi環境を整備するほか,新幹線の廃車アルミをリサイクルしたフレームに沿線の伝統的な工芸品を組み込んだオーナメントが設置され,JR東海編成には「美濃焼(岐阜県)」,JR西日本編成には「博多織(福岡県)」や「注染(大阪府)」などが採用される.
 “のぞみ”や“ひかり”の乗客には,車内サービスも提供される.無料のウェルカムサービスとして,コーヒーやアルコールなどの各種ドリンクと,沿線にゆかりのあるお菓子がひとり1回まで提供される.
 備え付けのタブレットから注文できる有料のモバイルオーダーサービスが用意されており,季節に応じた地域の商品など,「Supreme Class」限定の商品をパーサーが座席まで届ける.

JR東海 N700S量産車

写真:JR東海N700S量産車  目黒義浩撮影  小田原—熱海間にて  2020-10-25

 10月のサービス開始当初は,東京—博多間の定期列車を中心に,1日あたり上下計12本(のぞみ8本,ひかり2本,こだま2本)の固定運用を予定している.
 導入される編成数は当初8編成で開始し,その後は順次拡大を予定している.2026(令和8)年度末には15編成(運行本数30本程度),2027(令和9)年度末には31編成(運行本数65本程度)へと増やしていき,2028(令和10)年度末には38編成まで増強される予定.
 “のぞみ”通常期における,大人片道1名あたりのエクスプレス予約の発売価格は,東京—名古屋間の7号車が46840円,10号車が32440円,東京—新大阪間の7号車が60500円,10号車が42100円,東京—博多間の7号車が90220円,10号車が63620円などとなっている.スマートEX利用時は価格が異なり,半個室(Seat)の発売価格は別途発表される.
 2026(令和8)年9月15日(火)5時30分から「エクスプレス予約」や「スマートEX」限定で,チケットレス商品として販売し,発売開始以降は,乗車日1ヵ月前の10時から販売する.
 価格や購入方法などの詳細については,今後,「Supreme Class Cabin」特設WEBサイトで案内される.
 サービス開始に先立ち,2026(令和8)年7月25日(土)・26日(日)の各日に,抽選で合計24名(各回6名,計4回)を招待する体験乗車が東京—新大阪間で実施される.応募締切は2026(令和8)年6月30日(火)23時59分までで,専用応募フォームから申し込む.当選者には7月上旬ごろにメールで通知dsれる予定.

一部画像はJR東海・JR西日本 共同ニュースリリースから

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