▲指宿枕崎線での現場検証
JR九州とセンシンロボティクスは,鉄道施設の維持管理業務における安全性向上や将来的な業務の高度化を見据え,線路内環境に対応した自律飛行ドローン技術の共同開発したと発表した.
鉄道の線路内には,人工衛星からの電波(GNSS)が取得可能な区間だけでなく,トンネルや植生繁茂区間,踏切部など,環境条件が異なる区間が連続して存在する.本取組では,これらの環境変化に対応するため,3種類の自律飛行モードを組み合わせ,1台のドローンで線路内を連続的に飛行可能とする飛行制御技術の開発・検証が行なわれた.
▲GNSSモード
開発された飛行モードは「GNSSモード」,「レール追従モード」,「トンネルモード」の3種.「GNSSモード」は高度25m,速度6m/秒で飛行する.事前に飛行経路の設定が必要であり,LiDARによる点群取得とGNSS測位を用いて,設定地点での自動上昇・降下および広域調査を行なう.障害物を回避して自律降下する安全機能を備える.
▲レール追従モード
「レール追従モード」は高度2m,速度2m/秒で飛行する.事前の飛行経路設定は不要.LiDARによる点群取得とAI画像認識を活用し,非GNSS環境下においてもレールを追従して飛行する.障害物を回避して自律航行する安全機能を備える.
▲トンネルモード
「トンネルモード」は高度2m,速度1m/秒で飛行する.事前の飛行経路設定は不要.LiDARによる点群取得を用いながら,構造物認識によって自動でモードが切り替わり,非GNSS空間を飛行する.
検証の結果,これらの飛行モードを状況に応じて自動的に切り替えることで,1台のドローンによる連続的な自律飛行が可能であることが確認された.
この技術は,指宿枕崎線での現場検証を経て,鉄道施設の維持管理における現地状況把握を補完する手段としての活用が見込まれており,具体的には気象異常時の安全点検や鉄道構造物の遠隔自律点検などへの活用が想定されている.
両社は今後も実用化に向けた技術開発や運用検証を継続するとともに,制度面,運用面,安全性についての検討を進める.また,鉄道インフラメンテナンス全体の効率化・高度化に向けて,他の鉄道事業者や関連企業との連携・協業も視野に入れ,開発・運用体制の構築を目指すとしている.
画像はすべてJR九州提供












