写真:東武鉄道90000系 竹ノ塚—西新井にて 谷口 順一撮影 2026-4-16
東武鉄道は,2026(令和8)年度の鉄道事業において総額655億円の設備投資を行なうと発表した.
車両については,東上線の新形車両90000系を2026(令和8)年夏以降,順次導入するため,2026(令和8)年度は10両編成×2本(20両)を製作する.
▲新形車両1000系のイメージ
亀戸・大師線向けの新形車両1000系を2027(令和9)年以降順次導入するため,2026(令和8)年度は2編成×2本(4両)を製作する.1000系には大師線における自動運転の実現と,これまでの検証結果を踏まえ,今後の本格的な検証に必要となる自動運転に対応した保安装置や各種センサなどを搭載している(鉄道ニュース3月31日掲載記事参照).
写真:東武鉄道80000系 編集部撮影 南栗橋車両管区七光台支所にて 2025-2-10(取材協力:東武鉄道)
野田線(東武アーバンパークライン)では引き続き,80000系5両編成×5本を増備する.また,60000系5本をリニューアルする.
これらの車両については,最新の省エネ機器を搭載することで,現行の車両と比べ消費電力量を40%以上削減するなど,環境負荷の低減を図る.
▲軌道材料モニタリング装置(左)と架線モニタリング装置
大師線における自動運転では,2028(令和10)年度からの本格検証開始に向け,2026(令和8)年度は上記の1000系の製作とあわせて自動運転システムの設計・製作業務を実施する.
列車に搭載したモニタリング装置により線路や電車線の状態を検測・監視する「施設状態監視システム」については,検測・モニタリング装置の検証を実施する.
走行中の車両の乗車率や車内温度,走行パターンなどのデータを把握し分析する「Remote」については,60000系と50000系(東武スカイツリーライン・東上線)への導入を拡大する.
このほか,カメラで車両外観の異常を自動検知する「車両外観モニタリングシステム」の導入や,VR技術を活用した乗務員訓練用シミュレータの運用など,施設保守や乗務員教育の分野でもDXを加速させる.
▲駅舎リニューアルのイメージ(左:東武日光駅/右:南桜井駅)
駅舎のリニューアルについては,北千住(特急専用ホーム)・越谷・東武日光・南桜井の4駅でリニューアルを実施するほか,浅草・西新井・東武動物公園・足利市・大師前(大師線)・鬼怒川温泉・志木の計7駅でも工事を実施する.リニューアルにあたり,北千住や東武日光ではベンチや壁面に間伐材を使用し,環境保全に取り組む.
▲成増駅の可動式ホーム柵(左)とホームと西新井駅における車両乗降口の段差・隙間縮小
ホーム柵(可動式・固定式)については,2035(令和17)年度までの「鉄道駅バリアフリー料金制度」の届出整備期間において「優先整備駅」を定めており,計86駅を整備する.
ホーム柵(可動式)については,東武スカイツリーラインの西新井(3・6番線)と,野田線(東武アーバンパークライン)の高柳・新鎌ケ谷,東上線のふじみ野・上福岡の各駅で整備が完了する予定で,大師線の西新井駅(1・2番線)と,野田線の大宮・岩槻・野田市駅・流山おおたかの森の各駅,東上線のときわ台・上板橋・柳瀬川の各駅で工事に着手する.
また,ホーム柵(固定式)とホーム監視装置の設置については,野田線の大宮公園・大和田・七里・愛宕・梅郷の各駅で整備が完了する予定.あわせて,ホームと車両の段差・隙間を縮小する工事も実施し,すべての利用者が安心して利用できる環境を整える.
▲とうきょうスカイツリー駅付近高架化(左)と春日部駅付近高架化(下り線仮ホーム 切替え後)
東武スカイツリーラインのとうきょうスカイツリー駅付近の高架化については引き続き,留置線の高架橋工事を進める.春日部駅付近の高架化では,東武アーバンパークラインの上下線を東側に移設する工事を進める.
東上線大山駅付近の高架化では,支障物移転工事などを進める.
▲QR乗車券の利用イメージ
乗客や駅係員の負担軽減を目的として,2027(令和9)年春の運用開始が計画されている磁気乗車券からQR乗車券への置換えについて,2026(令和8)年度は,自動券売機や自動改札機等の改修のほか,デジタルQR企画乗車券販売システムなどの構築を進める.
改札手段の多様化による乗客の利便性向上や,東武と日立製作所が進める業種横断形の生体認証サービス「SAKULaLa」の利用拡大を目指し,顔認証改札の設置駅を拡大する.あわせて,ほかの鉄道会社での活用も視野に,顔認証機能を既存の自動改札機へ組み込み,ICカードと併用利用できる汎用性の高いシステムの構築を進める.
このほか,自然災害への備えとして高架橋柱の耐震補強や橋りょう・法面の改修を継続する.車内セキュリティの強化を目的に,2027(令和9)年度末までの全車両設置を目指して新たに44編成へ車内防犯カメラを設置する.
変電所10ヵ所の更新や駅施設照明のLED化も進め,持続可能な鉄道事業の構築に向けた取組を強化する.
一部画像は東武鉄道ニュースリリースから














