写真:近畿日本鉄道1A系 編集部撮影 西大寺車庫にて 2025-11-5(取材協力:近畿日本鉄道)
近畿日本鉄道は,新形一般車両「1A系」について,名古屋線,山田線,鳥羽線,大阪線で2026(令和8)年1月16日(金)から運行を開始すると発表した.
写真:1A系の車内 編集部撮影 高安車庫にて 2025-11-5(取材協力:近畿日本鉄道)
1A系は,名古屋線では28年ぶりとなる新形一般車両で,「青色」と「白色」のツートンカラーを採用し,従来の近鉄らしさを継承しながらも新しい近鉄のイメージとしている.
▲「やさしば」の利用イメージ
車内は,先にデビューした8A系と同様に,快適性と利便性の向上を追求したさまざまな設備が導入されている.車両中央の乗降扉付近に1両あたり2ヵ所に,ベビーカー・大形荷物対応スペース「やさしば」が設置される.このスペースには,キャリーバックやスーツケースなどのキャスターを掛けて荷物を動きにくくするストッパーが設置されている.
写真:1A系の多目的トイレ 編集部撮影 高安車庫にて 2025-11-5(取材協力:近畿日本鉄道)
長時間利用する乗客の利便性向上のため,バリアフリー対応の多目的トイレや,利用状況に応じてロングシートとクロスシートを切換え可能な「L/Cシート」が設置される.「L/Cシート」は,1両のなかでロングシートとクロスシートを混在して配置することも可能となっている.
車内保温のため,夏期や冬期に駅に長時間停車する際に,乗客が個別に扉を開閉できる扉個別開閉スイッチもあわせて設置する.
このほか,冷房能力の向上や扉の開閉に連動した空調制御の導入や,車内温度センサの増設などにより,酷暑などにも対応したきめ細やかな車内温度の調整を図る.車内照明や前照灯にはLEDを採用し,新形インバータ制御装置を採用することで,従来車両と比較して消費電力を約45%削減するなど,省エネルギー化を進め,環境への負荷を減らしている.
▲車内レイアウト(トイレなし車両)
安全対策として,車内防犯カメラを1両あたり4ヵ所設置し,非常通話装置が作動した時にその映像を乗務員や運転指令者がリアルタイムに確認して車内の状況を迅速に把握できるようにしている.乗務員と通話ができる非常通話装置を1両あたり2ヵ所に設置している.
バリアフリー対応として,各車両に1ヵ所の車いすスペース(フリースペース)を設けるほか,出入口の高さを下げてホームとの段差を低減し,乗降しやすくしている.
一部画像は近畿日本鉄道提供












