鉄道ファン2026年1月号(通巻777号)
『鉄道ファン』2026年1月号
2025年11月20日発売
特別定価1400円(税込)

南海電鉄,タッチ決済による1日上限2200円のサービス実証実験を実施

南海電気鉄道 8300系

写真:南海電気鉄道8300系  松本洋一撮影  住ノ江検車区にて  2015-9-2(取材協力:南海電気鉄道)

南海電気鉄道は,2025(令和7)年12月1日(月)の始発から2026(令和8)年3月31日(火)の終電までの間,クレジットカードなどのタッチ決済で1日に何度乗車しても運賃が最大2200円に抑えられる「タッチ決済1日上限割サービス」の実証実験を実施すると発表した.

南海電鉄,タッチ決済による1日上限2200円のサービス実証実験を実施

 サービスでは,事前登録が不要で,同一のタッチ決済対応カード(クレジット・デビット・プリペイド)または同カードが設定されたスマートフォンなどで1日に南海電鉄線に乗車した運賃の総額が2200円を超えた場合,超過分の運賃を差し引くもの.
 対象路線は南海電鉄全線で,タッチ決済改札機が設置されていない8駅は対象外となる.また小児運賃の取扱いはなく,他社線や「スマート好きっぷ」の利用はできない.
 難波駅から高野山駅を往復する場合,通常の運賃では2860円となるが,サービスを利用することで660円分安くなる.年末年始を含む冬の観光シーズンに,インバウンド客や国内客が大阪・なんばエリアや高野山などを巡る際などへの利用を見込んでいる.
 なお,サービスの対象は,同一のカード番号かつ同一の媒体で乗車した場合に限られる.クレジットカードでのタッチ決済額と,スマートフォンでのタッチ決済額は,媒体が異なるため,合算はされない.
 タッチ決済の対応カードは,国際ブランドのすべて(Visa・Mastercard®・JCB・American Express・Diners Club・Discover・銀聯)で,実証実験開始と同日の12月1日(月)からは,高野線の下古沢駅から極楽橋駅までの5駅においてもタッチ決済の利用が可能となる.これにより,南海電鉄全線105駅中97駅がタッチ決済対応の駅となる.

南海電鉄,タッチ決済による1日上限2200円のサービス実証実験を実施

▲タッチ決済対応駅

 南海電鉄は,2021(令和3)年4月に大手鉄道事業者として国内で初めて,改札機でのクレジットカードなどのタッチ決済を導入した.2024(令和6)年度は約63万件の利用があり,前年度比約1.8倍と利用が拡大している.
 さらに,2024(令和6)年10月からの関西の私鉄各社でのタッチ決済導入や,「大阪・関西万博」の開催による移動需要の高まりを受け,2025(令和7)年4月から10月における同社のタッチ決済利用者件数は,前年同期比5倍以上となっている.
 南海グループは,今後もタッチ決済を通じて,利用者のニーズにあわせた新しい価値創造に取り組む方針で,本サービスの開始後は,利用状況の確認やデータ分析を行い,サービスの継続を検討するとしている.

一部画像は南海電気鉄道提供

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