写真:南海電気鉄道8300系 松本洋一撮影 住ノ江検車区にて 2015-9-2(取材協力:南海電気鉄道)
南海電気鉄道は,2025(令和7)年12月1日(月)の始発から2026(令和8)年3月31日(火)の終電までの間,クレジットカードなどのタッチ決済で1日に何度乗車しても運賃が最大2200円に抑えられる「タッチ決済1日上限割サービス」の実証実験を実施すると発表した.
サービスでは,事前登録が不要で,同一のタッチ決済対応カード(クレジット・デビット・プリペイド)または同カードが設定されたスマートフォンなどで1日に南海電鉄線に乗車した運賃の総額が2200円を超えた場合,超過分の運賃を差し引くもの.
対象路線は南海電鉄全線で,タッチ決済改札機が設置されていない8駅は対象外となる.また小児運賃の取扱いはなく,他社線や「スマート好きっぷ」の利用はできない.
難波駅から高野山駅を往復する場合,通常の運賃では2860円となるが,サービスを利用することで660円分安くなる.年末年始を含む冬の観光シーズンに,インバウンド客や国内客が大阪・なんばエリアや高野山などを巡る際などへの利用を見込んでいる.
なお,サービスの対象は,同一のカード番号かつ同一の媒体で乗車した場合に限られる.クレジットカードでのタッチ決済額と,スマートフォンでのタッチ決済額は,媒体が異なるため,合算はされない.
タッチ決済の対応カードは,国際ブランドのすべて(Visa・Mastercard®・JCB・American Express・Diners Club・Discover・銀聯)で,実証実験開始と同日の12月1日(月)からは,高野線の下古沢駅から極楽橋駅までの5駅においてもタッチ決済の利用が可能となる.これにより,南海電鉄全線105駅中97駅がタッチ決済対応の駅となる.
▲タッチ決済対応駅
南海電鉄は,2021(令和3)年4月に大手鉄道事業者として国内で初めて,改札機でのクレジットカードなどのタッチ決済を導入した.2024(令和6)年度は約63万件の利用があり,前年度比約1.8倍と利用が拡大している.
さらに,2024(令和6)年10月からの関西の私鉄各社でのタッチ決済導入や,「大阪・関西万博」の開催による移動需要の高まりを受け,2025(令和7)年4月から10月における同社のタッチ決済利用者件数は,前年同期比5倍以上となっている.
南海グループは,今後もタッチ決済を通じて,利用者のニーズにあわせた新しい価値創造に取り組む方針で,本サービスの開始後は,利用状況の確認やデータ分析を行い,サービスの継続を検討するとしている.
一部画像は南海電気鉄道提供












