▲レーザブラスト技術を用いた塗膜除去作業のようす
JR東海は,在来線における鉄道台車の探傷試験前の塗膜除去作業において,古河電気工業のインフラ構造物向けの表面処理ソリューション「インフラレーザ®」を採用し,2025(令和7)年6月から運用を開始したと発表した.
▲磁粉探傷法について
この技術は,鉄道台車の探傷試験の品質向上を目的に,両社で実用化に向けた共同開発を行なったもので,作業面においても作業時間の大幅な短縮を実現している.
鉄道台車に傷などがあると,脱線などの重大事象につながる恐れがあるため,台車の傷の有無を確認する探傷試験は,鉄道車両の検査において非常に重要な作業となっている.
探傷試験(磁粉探傷法)の実施にあたっては,台車表面の傷を確実に検出するために,表面に施されている塗膜を除去する前工程があるが,在来線においては,これまで振動工具による機械的な塗膜除去作業を行なってきた.
機械的な塗膜除去作業の課題として,塗膜除去が不十分であることから表面に傷の疑似模様が現れ,磁粉探傷法による傷の良否判定に時間を要することに加えて,長時間の手元での強い振動(15m/s2),大量の粉塵発生による作業者負担などの点があった.
▲インフラレーザ®を用いた塗膜除去
「インフラレーザ®」は,金属表面の塗膜や錆を非接触で除去するレーザブラスト技術で,今回の共同開発で採用した面照射方式でのレーザブラスト技術には,金属表面を傷つけずに塗膜除去が可能で,磁粉探傷法の欠陥検出精度を向上させる.
またレーザ光を面で照射することにより,一点に熱が集中しないことから,台車部材への熱変形や組織変化を防止するとともに,高効率除去の「インフラレーザ®」により,塗膜除去時間がこれまでと比較して約80%短縮した.
「インフラレーザ®」は古河電気工業株式会社の登録商標です.
画像はすべてJR東海・古河電工 共同ニュースリリースから












