写真:JR東日本E5系量産車 編集部撮影 新幹線総合車両センターにて 2010-12-14 (取材協力:JR東日本)
JR東日本は,東北・上越新幹線の終電時刻を2026(令和8)年春に繰り上げると発表した.
▲新幹線における地震対策
JR東日本の新幹線では,日々の夜間工事において,レールや架線の交換やトンネルの修繕など,設備のリニューアル工事を実施している.
これに並行して,大規模地震のリスクに備えるため,線路で約2000km,トンネルで約30km,電柱で約2万本の対策工事を進めており,全体の工事の約20%が地震対策工事となっている.
一方で,鉄道工事は屋外での夜間労働となる性質から,軌道工事従事員は,この10年間で約20%減少し,生産年齢人口の減少を踏まえると,今後も担い手の確保が厳しい状況でることから,設備のリニューアルにより,日々の安全安定輸送の確保を行ないながら,大規模地震に備えた対策工事を両立させることが課題となっている.
▲新幹線におけるおもな工事の機械化
2024(令和6)年春には,全体工事量の約20%の区間である上越新幹線大宮—高崎間と越後湯沢—新潟間において,終電を20分繰り上げている.終電繰上げによる作業時間の拡大で,1日の工事量の増加などの効果が得られ,この区間での施工効率は約10%向上した.
東北新幹線の東京—盛岡間と上越新幹線の大宮—新潟間では,工事量が全体の80%以上を占めている.
この区間の東京発下りの終電のうち,22:44発の那須塩原行き,21:44発の仙台行き,20:20発の盛岡行き,22:28発の越後湯沢行きを10〜20分程度繰り上げる.これにより,作業時間を20分程度拡大することで,機械化とあわせて,設備のリニューアル工事や地震対策工事などをできる限り早くかつ着実に進める.
終電繰上げにあたっては,可能な限り乗客への不便を軽減するため,利用状況を踏まえた終電前の臨時列車の設定などの検討を進める.2024(令和6)年春に終電を繰り上げた上越新幹線高崎行き・新潟行きの終電時刻は変更しない.終電繰上げを含めた内容の詳細は,決まり次第,発表される.
一部画像はJR東日本ニュースリリースから












