鉄道ファン2025年12月号(通巻776号)
『鉄道ファン』2025年12月号
2025年10月21日発売
特別定価1400円(税込)

住友商事・日本車両,「インドネシア都市高速鉄道・南北線フェーズ2A」向け鉄道車両を受注

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住友商事・日本車両,「インドネシア都市高速鉄道・南北線フェーズ2A」向け鉄道車両を受注

▲納入予定車両(写真はフェーズ1で既納入のもの)

住友商事と日本車輌製造は,インドネシア・ジャカルタ特別州が出資するMRTジャカルタ社(MRTJ)から,「ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)南北線フェーズ2A」向けに,地下鉄車両48両を約170億円で受注したと発表した.

 両社は,本事業の前身となる「MRT南北線フェーズ1」において地下鉄車両96両を納入し,2019(平成31)年4月にインドネシア初の地下鉄として営業運転を開始している.今回,フェーズ1での実績が高い評価を得たことを背景にフェーズ2Aの車両納入パッケージの受注に至った.
 近年急速な経済成長を続けるインドネシアでは,ジャカルタ首都圏での人口集中による交通渋滞や大気汚染が深刻な社会問題となっており,その対策として公共交通システムの拡充を進めている.本件では地下鉄輸送サービスの拡張により,ジャカルタ都市部の混雑緩和や市民生活の利便性向上を図る.また,自動車やバイクの利用が減少することで,大気汚染の改善にもつながる.

住友商事・日本車両,「インドネシア都市高速鉄道・南北線フェーズ2A」向け鉄道車両を受注

▲路線図

 本件では,日本政府が国際協力機構(JICA)を通じ,本邦技術活用条件(STEP:Special Terms for Economic Partnership)を適用した円借款を供与し,両国政府にとって重要度の高い案件と位置づけられている.
 また両社は,これまでインドネシアや台湾など世界各国で鉄道車両の供給実績を重ねており,特にインドネシアにおいては,「MRT南北線」向けに地下鉄車両を計144両納入することになる.今後,MRTJは日本政府からの資金提供のもと,ジャカルタを東西に横切る新線も計画しており,インドネシア国内の他都市においても鉄道網を新設する計画が多数ある.両社は引き続き,同国市場における鉄道網発展への貢献の機会を探っていくとしている.

画像はすべて日本車輌製造WEBサイトから

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