
写真:養老鉄道620系 能登暁規撮影 美濃津屋—駒野間にて 2020-3-1
養老鉄道の車両管理などを担当する一般社団法人養老線管理機構では,更新事業を進めている旧近鉄車両について,2028(令和10)年度から順次,残りの旧近鉄車両を新形車両に更新する方向で関係市町と調整を進めると発表した.
新形車両については,最新のインバータ制御とし,ステンレス製の車体にすることで,軽量化による消費電力削減や車体強度と耐久性の向上を図る.車両の軽量化とインバータ制御により消費電力は従来車両と比較して約50%削減される.
また,車内防犯カメラ設置により乗客の安全・安心を確保するほか,全自動空調システムにより年間を通じて快適な車内環境を実現する.LCD案内表示システムや自動放送装置を設置し,利用者への案内を充実させ,ユニバーサルデザインの導入により,すべての利用者にやさしい車両とする.
デザインについては,沿線7市町の特徴を取り込んだ車両デザインとすることで地域の魅力を県内外にPRする.あわせて,新形車両を活用したイベント開催などにより,養老線への関心を向上させ,より一層の養老線の存続性・持続性をアピールする.

▲車両更新の第1弾として2019(平成31)年に導入された7700系 来住憲司撮影 大垣車庫にて 2019-4-25(取材協力:養老鉄道)
2028(令和10)年度から6年間をかけて,各年1本ずつ,6本15両を導入し.2028(令和10)年度から2030(令和12)年度の各年度で3両編成を,2031(令和13)年度から2033(令和15)年度の各年度で2両編成をそれぞれ更新する.
製造事業者については,プロポーザル方式で車両製造事業者5社を指名したところ,1社から提案があり,養老線管理機構が設置した評価委員会で審査・評価を行なった結果,総合車両製作所に決定した.事業費は約49億円としている.
今後,2025(令和7)年9月に車両の詳細仕様を検討し,2028(令和10)年度初頭に契約締結と製造を開始,2029(令和11年)2月に第1編成を導入予定としている.
詳しくは,一般社団法人養老線管理機構ニュースリリースに掲載されている.
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