
写真:東急電鉄6020系(6050番代) 編集部撮影
東急電鉄は,2032(令和14)年度から大井町線でワンマン運転を実施すると発表した.

これは,将来の労働力不足や社会環境の変化に対応するために実施されるもので,大井町線の全列車のほか,田園都市線内でも大井町線と直通運転する列車が対象となる.安全性・安定性向上の取組として,ワンマン運転開始までに「定位置停止支援装置(TASC)」,「乗務員支援ホーム監視AI」,「無線式列車制御システム(CBTCシステム)」が大井町線(田園都市線直通列車の同線区間含む)では導入する.

▲定位置停止支援装置(TASC)
「定位置停止支援装置(TASC)」は,列車到着時に所定停止位置に自動停止させる支援機能で,所定停止位置への確実な停車や大幅誤停車の防止により,列車運行の安全性・安定性の向上を図る.導入時期は,ワンマン運転開始と同時期を予定している.

▲乗務員支援ホーム監視AI
「乗務員支援ホーム監視AI」は,AI技術を活用したオペレーション変革の一環として導入されるもので,これまでに東横線で実証実験を進めてきた.運転台に設置されているホーム上の乗降監視映像を表示するモニターに,AI画像解析技術で検知した特定の状態を通知し,運転士の業務をサポートすることで,さらなる安全性・安定性の向上を図る.導入については,準備が整い次第としている.

▲無線式列車制御システム(CBTCシステム)
「無線式列車制御システム(CBTCシステム)」は,列車の安全・安定運行を確保するために,無線通信技術を活用して列車の位置や速度を連続的に把握し,列車間の安全な間隔を確保する新方式の信号保安システムである.CBTCシステムでは,先行列車が進行すると,後続列車はその進行距離に応じ,従来システムよりも速やかに進行可能となるため,高い遅延回復効果が得られるとともに,システムを構成する設備全体を2系統設けることで安定稼動につながり,運行の安定性向上を図る.
このほか,大井町線におけるワンマン運転時も乗降確認モニターやホームドア,車内防犯カメラ,3D式踏切障害物検知装置,車内非常通報ボタンなど,これまでに導入してきた各種安全対策を徹底し,安全・安定輸送の確保に努めるとしている.
一部画像は東急株式会社提供