
写真:IGR7000系 編集部撮影 盛岡にて 2002-9-13(取材協力:IGRいわて銀河鉄道)
IGRいわて銀河鉄道は,IGR7000系に線路設備モニタリング装置を導入すると発表した.線路設備モニタリング装置の導入は,第三セクターの鉄道会社で初めてとなる.

▲モニタリング装置を搭載したIGR7000系
運用エリアは,いわて銀河鉄道線全線(盛岡—目時間/上下線 計164km)で,今回導入される線路設備モニタリング装置は,JR東日本で使用されていた装置であり,東北本線で導入実績がある.
測定したデータについては,株式会社日本線路技術が保線管理システム「RAMos+®」で処理・分析を行ない,精査したデータをIGRいわて銀河鉄道にフィードバックすることで,線路メンテナンスの精度・品質の向上が期待されている.

▲軌道材料モニタリング装置
本格運用開始時期については,2027(令和9)年4月の予定.「軌道材料モニタリング装置」については2025(令和7)年5月に搭載済みで,2026(令和8)年5月に「軌道変位モニタリング装置」を搭載したあと,順次試運用を実施する.
線路設備モニタリング装置は,軌道変位モニタリング装置と軌道材料モニタリング装置で構成され,営業列車に搭載することでレールの状態など線路データを取得できる.高頻度に測定できるため,線路の状態をタイムリーに把握することが可能となる.

▲保線設備管理システム「RAMos+®」システムイメージ
また,従来得られたデータの処理は,会社ごとの独立したシステムで行なわれてきたが,日本線路技術が開発した「RAMos+®」により,鉄道各社が同じプラットフォーム上で処理が可能となる.各社がメンテナンスに使用するアプリなどを共有して使用でき,開発費の削減に加え,メンテナンスの生産性が向上する.
さらに,各社のアプリの共有により鉄道業界全体で線路メンテナンスの技術の発展が期待されている.
一部画像はIGRいわて銀河鉄道・JR東日本 提供