鉄道ファン2025年7月号(通巻771号)
『鉄道ファン』2025年7月号
2025年5月21日発売
特別定価1400円(税込)

京成,2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表

京成電鉄3200形

写真:京成電鉄3200形  編集部撮影  宗吾車両基地にて  2025-1-24(取材協力:京成電鉄)

京成電鉄は,2025(令和7)年度,鉄道事業において総額371億円の設備投資を実施すると発表した.

 車両については,新形車両「3200形」12両を新たに導入する.
 空港輸送に関連し,成田空港の機能強化にあわせた空港アクセスの強化として,宗吾車両基地拡充工事計画における新工場建設工事を進める.

京成,2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表

▲ホームドア設置イメージ(押上駅/2023年度実施)

 駅のバリアフリー化については,駅ホームからの転落や列車との接触による事故を防止するため,青砥・京成高砂・鬼越の各駅へのホームドア設置を引き続き進めるほか,堀切菖蒲園・八広・市川真間・京成中山・船橋競馬場の各駅について,ホームドアの設置に着手する.
 新千葉駅のエレベータ・スロープ・バリアフリートイレの整備と,大森台駅のエレベータやバリアフリートイレの整備が完了する.また,大佐倉駅で,スロープやバリアフリートイレの整備に着手する.

京成,2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表

▲松戸駅リニューアルイメージ

 駅施設については,京成佐倉駅について,ホーム上家耐震補強とあわせて駅舎リニューアル工事を実施するほか,松戸駅のリニューアル工事を引き続き進める.また,京成稲毛駅でトイレをリニューアルする.
 環境負荷の低減を図るため,各駅構内や車内照明のLED化を進める.

京成,2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表

▲京成本線荒川橋梁 新橋設置時のイメージ

 押上線葛飾区内(四ツ木—青砥間)で行なわれている連続立体交差事業については,仮上り線の工事を進める.沿線地域防災への取組として,国の荒川下流特定構造物改築事業となっている京成本線荒川橋梁架替工事を,事業完了に向けて引き続き進める.

京成,2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表

▲駅ホーム改修工事イメージ(京成佐倉駅ホーム/2023年度実施)

 駅や車内の安全対策強化では,駅ホームにおける老朽化対策の一環として,みのり台駅の改修工事が完了する.また,宗吾参道・新津田沼の各駅では引き続き,改修工事を実施する.
 テロなどの危険行為に対応するため,通勤形車両車内への防犯カメラの設置については,2025(令和7)年度に完了する.また,松戸線の車両において非常用はしごの設置を進める.

京成,2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表

▲耐震補強工事イメージ(市川真間駅/2024年度実施)

 大規模地震への対策として,2023(令和5)年度から実施している総武線乗越橋梁耐震補強工事や京成佐倉駅などのホーム上家耐震補強工事が完了するほか,みどり台駅の駅舎・ホーム上家耐震化工事に着手する.千葉寺—ちはら台間の高架橋柱などの耐震化を引き続き実施する.集中豪雨などにより法面(線路脇斜面)の土砂が流出することを防ぐため,京成成田—空港第2ビル間などの法面補強工事を引き続き実施する.

京成,2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表

▲法面補強工事イメージ(谷津—京成津田沼間/2023年度実施)

 このほか,列車の集中制御を担う運行管理装置の全面的な更新に着手する.安定的な電力供給を図るため,日暮里変電所や二和変電所の設備更新を実施する.青砥駅の転てつ機・信号機を安全に連動させる装置の更新を図るほか,松戸線でのC-ATS(自動列車停止装置)への更新が終了し全線での整備が完了する.
 線路の下に撒く砕石の厚みを増す工事や,軌道変位が生じにくいマクラギ(ラダーマクラギ)への交換などを実施し,運転保安度の向上と乗り心地の改善を図る.また,自動券売機や自動改札機などの駅務機器を更新する.
 千住第1架道橋における防護桁落下事象を踏まえ,当該箇所や同種構造の防護桁の対策工事に着手する.

一部画像は京成電鉄提供

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