鉄道ファン2025年5月号(通巻769号)
『鉄道ファン』2025年5月号
2025年3月21日発売
定価1300円(税込)

日立レール,英国・スコットランド向け鉄道車両のメンテナンス契約を更新
〜2025年4月から7年間の契約を獲得〜

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日立レール,英国・スコットランド向け鉄道車両のメンテナンス契約を更新

▲スコットレール

日立製作所のグループ会社である日立レールは,英国・スコットランドの鉄道事業者であるScotRail(スコットレール)との間で,通勤車両「クラス385」のメンテナンス契約を7年間延長したと発表した.

 今回の延長契約には,「クラス385」のすべての点検・整備が含まれており,サービス体制を改善し,列車の最高のパフォーマンスをより長く維持する.これにより,より多くの電車の運行が可能となり,多くの乗客に静かで快適で環境に優しい列車の旅が提供できるとしている.
 新たな契約により,インフラや人財への継続的な投資が保証される.また,日立のデジタルアセットマネジメントプラットフォームである「HMAX」(エイチマックス)を含め,デジタルソリューションへの投資を検討していく.
 日立では,高品質なメンテナンスサービスを提供することで,スコットレールと強固な協力関係を築いており,パートナーシップにより,スコットレールのエクスプレス車両は一貫して英国で最も信頼性とパフォーマンスの高い車両のひとつとなり,需要の成長を支えてきた.
 スコットレールは50編成以上のエクスプレス車両を保有しており,2025(令和7)年4月現在,英国の業界平均の4.5倍の信頼性を誇る,最も優れた車両となっている.2024(令和6)年度のスコットレールのエディンバラ—グラスゴー間の「クラス385」の乗客数は750万人で,2023(令和5)年度比では5%,「クラス385」の導入当初(2019年)と比較しても2%増加している.

日立レール,英国・スコットランド向け鉄道車両のメンテナンス契約を更新

 日立では近年,スコットランドの鉄道に対して多額の投資を行なっており,これまでにもエディンバラのクレイジェンティニーにある英国最古の車両基地について,3000万ポンド(約58億円)かけて改修し,デジタル化された最新車両をメンテナンスするための従業員のスキルアップを行なった.
 「クラス385」は,すでにスコットランド鉄道の二酸化炭素排出量削減に貢献しており,スコットレールは,エディンバラ—グラスゴー間の列車を「クラス385」に置き換えたことで,ディーゼル列車と比較して年間82%,約2500トンの二酸化炭素排出量を削減したと推定している.
 新たな契約により,日立はスコットレール,トランスポートスコットランド,ネットワークレール,日立レールが協力する「チームスコットランド」の一員であることが継続される.スコットランド政府とネットワークレールは,列車とインフラへ13億ポンド(約2500億円)を投資しており,この一部が英国ダーラム州にある日立レールの鉄道車両工場での通勤車両製造に活用されている.

各金額は1ポンド=193.52円で換算
写真はすべて日立製作所提供

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