西武鉄道は,山口線に新形車両を導入すると発表した.山口線における車両更新は,開業当時に導入された8500系(レオライナー)以降,初めてとなる.
外観デザインについては,西武線沿線の「ベルーナドーム」や「西武園ゆうえんち」という非日常の場へ向かう利用客のワクワク感をさらに高揚させる車両を目指し,「西武鉄道」,「西武ライオンズ」,「西武園ゆうえんち」で働く社員が集まりデザインを検討した.
第1編成は「ベルーナドーム」を本拠地とするプロ野球チーム「埼玉西武ライオンズ」をイメージしたデザインとする.第2編成以降のデザインは,2025(令和7)年度以降発表される予定.製造は,三菱重工業が担当する.
客室は座席を現行のクロスシートからロングシートに変更することで,「ベルーナドーム」でのプロ野球・コンサートなど開催時の輸送力を強化する.また,先頭車最前部には親子で前面の車窓を楽しめる「kids SEAT」を設置する.
2・3号車にはショーケースを設置するほか,バリアフリー対応として各ドア上部へのLCD車内案内表示器を設置し,車いすスペースは各車両に1ヵ所設置する.
また,リアルタイム通信式の車内防犯カメラやホーム上の状況を運転台に設置したモニタに表示する車側カメラシステムを搭載する.事故や列車運行への妨害行為などが発生した場合の状況確認や原因究明を目的に,列車運行中の前後方映像を記録するドライブレコーダーを搭載する.
第1編成は2025(令和7)年度末に運行を開始する予定で,具体的な運行開始日は,あらためて発表される.以降は2027(令和9)年度までに4両編成×3本(12両)を導入し,現行車両である8500系をすべて置き換える予定.
写真はすべて西武鉄道提供