日立製作所のグループ会社である日立レール社は,英国の鉄道運行会社であるFirst Group(ファーストグループ)および車両保有会社であるAngel Trains(エンジェル・トレインズ)と,車両14編成・70両の調達・リース契約に調印したと発表した.
納入される英国向けインターシティ(特急形)車両は,「クラス800」シリーズの電化区間専用の車両または非電化区間乗り入れ用にバッテリーまたはディーゼルエンジンを搭載したバイモードの車両となる.10年間のリース期間におけるメンテナンスを含む3社のプロジェクトコストは,約5億ポンド(約961億円)となる.
車両はファーストグループのオープンアクセスによる路線で運用される.新しく運行が許可されたロンドン—カーマーゼン間や,同社が運営する既存のオープンアクセスブランドであるルーモ(Lumo)やハル・トレイン(Hull Trains)の増備にも使用される.車両の納入は,2027(令和9)年から開始される予定で,車両の保守は英国各地の日立レールの車両基地で行なわれる.
さらに,ファーストグループは現在新しい路線のオープンアクセスを鉄道・道路規制庁に申請中であり,承認された場合,最大約5億ポンド(約961億円)で13編成までの追加発注を行なうことができる.候補路線は,Lumoのロンドン—ロッチデール間(ニュートン・ル・ウィローズ経由),エクルズ—マンチェスター・ビクトリア間,既存路線の延伸となるグラズゴー—エジンバラ間,ロンドン—カーマーゼン間の延伸となるロンドン—ペイントン間,Hull Trainsではロンドン—シェフィールド間(レットフォード,ワークソップ経由)などとなっている.
政府と独立した規制当局である鉄道・道路規制庁によってサポートされているオープンアクセスモデルは,鉄道路線の輸送キャパシティの一部を民間の事業者に提供することによって,旅客サービスの十分行き届いていない場所と接続して経済成長を促進し,自動車や航空機からのモーダルシフトを図る.
各金額は,1ポンド=192.16円で計算(12月6日のレート)
写真は日立製作所提供