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特集 新幹線最前線2025
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JR東日本,運賃の改定を申請
〜2026年3月の改定に向け,手続きを開始〜

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JR東日本E235系

写真:JR東日本E235系  編集部撮影  東京総合車両センターにて  2015-3-28(取材協力:JR東日本)

JR東日本は,国土交通大臣に対し,運賃の改定を申請したと発表した.

 今回の改定申請は,鉄道事業に求められる役割やサービスが多様化・高度化する中,利用客のライフスタイルの変化や物価高,人材の確保といった経営環境の変化に対応し,安全・サービスの維持向上,車両・設備の更新,バリアフリー設備の拡充や激甚化する災害への対策などを着実に進めつつ,今後も鉄道事業をサステナブルに運営していくために実施するとしている.

JR東日本,運賃の改定を申請

▲改定率(値上げ率)

 普通旅客運賃については,平均7.8%の改定を申請した.首都圏に設定しているほかのエリアと比較して低廉な「電車特定区間・山手線内」の運賃区分を「幹線」に統合する.
 消費税の転嫁方法について,現行の電車特定区間・山手線内と同様,幹線・地方交通線のきっぷ運賃は1円単位の端数を四捨五入から切り上げへ変更する.これによりIC運賃は,きっぷ運賃より低廉または同額となる(小児の一部区間を除く).
 キロ数に賃率を乗じて算出する11km以上の幹線の運賃は,11km以上300km以下に適用する賃率を16.96円(+4.7%),301km以上600km以下に適用する賃率を13.45円(+4.7%)へ引き上げる.また,地方交通線の運賃は現行と同様,幹線の賃率を1.1倍した額となる.なお,601km以上に適用する賃率は据え置く.10kmまでの運賃は,税抜運賃を4.7%引き上げる.

JR東日本,運賃の改定を申請

 定期旅客運賃については,通勤定期で平均12.0%,通学定期で平均4.9%の改定を申請した.普通旅客運賃と同様,通勤定期・通学定期ともに「電車特定区間・山手線内」の運賃区分を「幹線」に統合する.通勤定期は,普通旅客運賃の改定相当分を反映するとともに,有効期間が6箇月のものは割引率を見直す.
 通学定期は,幹線と地方交通線は据え置きとし,割引率を拡大する.また,普通旅客運賃・定期旅客運賃とも,ほかのJR会社にまたがる場合の運賃に通算加算方式を新たに導入し,加算額を設定する.
 このほか,鉄道駅バリアフリー料金は廃止し,特定区間(東京地区)の普通旅客運賃・定期旅客運賃についても一部の区間を除き廃止する.東京—熱海間では,JR東海が運営する東海道新幹線とJR東日本が運営する東海道線を同一の線路としてみなしているが,運賃改定後はそれぞれ別の線路として取り扱う.
 オフピーク定期券は,運賃改定後も利用可能範囲を拡大する予定で,グリーン定期券・新幹線定期券(東京—大宮,東京—新横浜間など)の価格は,今回の運賃改定にともない値上げする.
 運賃改定の実施予定は,2026(令和8)年3月の予定で,申請内容の詳細については,「運賃改定の申請のお知らせ」ページに掲載されている.

一部画像はJR東日本ニュースリリースから

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