三菱重工業は,中国マカオ特別行政区(Macau Special Administrative Region)政府・公共建設局(DSOP)から受注した,全自動無人運転車両(AGT:Automated Guideway Transit)システムを採用するマカオLRT(Light Rapid Transit)の延伸プロジェクトのうち,石排湾延伸線と横琴延伸線の引き渡しを完了したと発表した.
マカオLRTにおける完工・引き渡しは,2023(令和5)年のBarra延伸線に続くものとなる.石排湾延伸線は11月1日(金),横琴延伸線は12月2日(月)から,それぞれ営業運転を開始している.
今回完成したプロジェクトは,2019(令和元)年に三菱重工業が納入したタイパ線(11駅/9.3km)を軸に,人口の増加が見込まれる新興住宅地の石排湾地区へつながる石排湾延伸線(2駅+乗換駅追設/1.6km)と,マカオ対岸の中国本土・横琴島に接続する横琴延伸線(2駅追設/2.2km)を新設したもの.
石排湾延伸線が開業することで,空港やリゾートホテルが立ち並ぶ中心市街地のタイパ島から,新設の大形総合病院付近や石排湾地区への乗り入れが可能となり,交通利便性の向上が見込まれるとしている.
また,横琴延伸線の運転開始により,マカオと中国本土の往来活発化も見込まれており,地域経済のさらなる発展にも貢献するとしている.
今回のプロジェクトにおいては,地元ゼネコンである「Top Builders Macau Co. Ltd.」と「Hou Chun Construction and Engineering Company Limited」とともに3社コンソーシアムを組み,三菱重工業は,信号,通信システム,給電設備,軌道,ホームドア,料金機械といったAGTシステム一式(駅舎の建設や土木工事を除く)を担当した.車両はタイパ線向けに三菱重工業が納入した110両(2両×55本)が両延伸線でも活用される.
また,2024(令和6)年2月には,マカオ半島と中国本土のボーダーゲートである拱北(Gongbei)付近まで伸びるEast Line(6駅/7.65km)も受注し,設計・調達フェーズも順調に進行している.
画像はすべて三菱重工業提供