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特集 新幹線最前線2025
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JR東日本,新幹線における「スマートメンテナンス」を本格始動

JR東日本,新幹線における「スマートメンテナンス」を本格始動

▲「SMART-Green」(レールモニタリング車)

JR東日本と日本線路技術は,新幹線における「スマートメンテナンス」を2024(令和6)年12月から本格始動し,2種類の新幹線モニタリング車と,新たに開発した業務システム「S-RAMos+®」を導入すると発表した.

 JR東日本グループでは,新幹線の安全安定輸送にむけて,線路の健全性を確認する点検や検査を日々実施しているが,本格稼働する新幹線モニタリング車を用いて「スマートメンテナンス」を実現し,線路点検などの安全性・品質・生産性向上を図るとともに,これまで人の手で実施していた業務を一部システム化することで,社員の働き方改革を進める.

JR東日本,新幹線における「スマートメンテナンス」を本格始動

▲「SMART-Red」(線路設備モニタリング車)

 スマートメンテナンスを実現する手段として2種類の新幹線モニタリング車により,高頻度で定期的な線路の点検,検査を行なう.「SMART-Green」は,レール内部に発生する傷など状態を点検,検査する保守用車(レールモニタリング車)で,70km/hの測定速度は国内最速である.
 「SMART-Red」は,まくらぎなどの状態を点検,検査する保守用車(線路設備モニタリング車)で,新幹線全体の線路点検や検査にモニタリングデータを活用する仕組みの実用化は国内初となる.
 この2種類の新幹線モニタリング車は連結して運転することで,少人数でも線路の検測が可能となっている.なお,新幹線モニタリング車による検測と取得データの処理は日本線路技術が担う.

JR東日本,新幹線における「スマートメンテナンス」を本格始動

▲モニタリング画像の例(左)と自動判定イメージ(レールを留める金具の例)

 スマートメンテナンスを実現するための業務システムとして,「S-RAMos+®」を導入する.これは,モニタリングした画像から修繕が必要な箇所を自動判定・提案する機能を有しており,測定データの処理から技術者の確認・判断に至るスマートメンテナンスのプロセスを,ひとつのプラットフォーム上で実施可能となる.

JR東日本,新幹線における「スマートメンテナンス」を本格始動

▲「スマートメンテナンス」の導入スケジュール

 2023(令和5)年6月から稼働している「SMART-Green」に加え,2024(令和6)年12月から新たに「SMART-Red」1台を東北新幹線の一部エリアに導入する.また「SMART-Red」の導入にあわせ,「S-RAMos+®」の使用も開始する.
 今後は,2025(令和7)年度末までに「SMART-Red」を計4台導入し,「SMART-Green」1台,「SMART-Red」4台の計5台でJR東日本の新幹線全線をモニタリングする.さらに,新幹線モニタリング車を用いた「スマートメンテナンス」について,ほかの鉄道会社への展開も検討していく.

画像はすべてJR東日本提供

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