原鉄道模型博物館は,2024(令和6)年7月21日(日),開館12周年記念式典を実施した.
式典では,京阪ホールディングスの会長CEO・加藤好文氏が来賓代表の挨拶を行なった後,神奈川県知事・黒岩祐治氏と東京ドーム会長CEO・北原義一氏からのビデオ祝辞が披露された.
三井不動産のもと副社長である北原氏は,原丈人館長が原鉄道模型博物館設立に至った経緯を述べ,これを受けて,原丈人館長自らが原鉄道模型博物館構想を起案し,そのために欧米の鉄道博物館をいくつも回り世界一を目指して創設したことを式典で初めて明らかにした.その上で,父の原信太郎氏が生涯をかけて作成した鉄道模型が,なぜ小さな本物であるかをわかりやすく説明.300名近い来場者からは感嘆の声があがり,その後じっくりと見学した.模型でありながら,本物と同じ駆動方式であることや,縦揺れ横揺れを吸収できるように作られた実物と同じ台車,ステンドグラスや窓枠から内装に至る緻密な細工など,見どころは無限にあると述べた.
続いて副館長である原健人氏と吉田万理氏が,初代館長である原信太郎氏にまつわるクイズや思い出を披露したほか,原家を良く知るセイコーホールディングス会長・服部真二氏や,2011(平成23)年に同じく横浜で博物館を開業した日清食品ホールディングス社長・安藤宏基氏,良品計画会長・金井政明氏と,博物館で大切な役割を果たしてきた館員からのビデオ祝辞が披露された.
原丈人館長は,長い将来にわたって博物館を発展させていく決意と,そのための体制作りを行なっていくことを来賓・来場者全員に対して確約した.
あわせて,台湾に続き,香港に開設予定の「原鉄道香港駅」の建築現場映像を披露した.「原鉄道香港駅」は,2024年夏以降に九龍地区・尖沙咀の商業施設「新港中心(シルバーコード)」に開設予定で,原信太郎が製作した鉄道模型2車両(箱根登山鉄道チキ1型・阪神電気鉄道311型)をデザインモチーフに,実際の鉄道車両と同じ大きさの鉄道車両を模した空間を再現する予定.
内部では飲食・喫茶が可能なほか,車窓を模したディスプレイには,東海道の車窓風景が流れるように写し出され,香港に居ながら日本の鉄道に乗車し,食堂車で旅する気分を味わうことができる.「原鉄道香港駅」についての続報は追って発表される予定.
画像はすべて三井不動産提供