JR東日本とJR西日本は,2024(令和6)年4月に覚書を締結し在来線車両の装置・部品共通化の検討を開始したと発表した.
これは,旅客輸送量や労働生産人口の減少が見込まれる中でも,将来にわたり鉄道輸送事業を維持発展させ,利用客へ安定的な輸送サービスの提供を目的とするもの.共通化による車両メーカー・サプライヤーの製造プロセスの効率化や生産性の向上を図ることで,サプライチェーンの強靭化を目指す.これにより,効率的な装置・部品の調達が可能となる.
共通化は,主電動機(モータ),オイルダンパー,行先表示器,パンタグラフなどの装置・部品から検討に入り,事業者の独自性と効率化のバランスを見ながら共通化対象部品を拡大する.ドア位置や枚数,車体幅・長さ,前頭部形状(デザイン)など,各鉄道事業者の独自の仕様となるものは今後検討する.
また,両社の設計プロセス効率化,設計技術向上を目指した交流や,本取組に賛同する事業者・車両メーカー・サプライヤーとの積極的な意見交換を行なう.
両社はこれまでに,北陸新幹線E7系・W7系において共同設計と同一路線の新幹線を共同で運行しており,2023(令和5)年4月には覚書を締結し,E7系・W7系をベースとした新幹線の自動運転の実現に向けた技術検討も協力して進めている.新幹線ではこのような技術協力を行なってきたが,在来線における技術的な連携は初めてとなる.
一部画像はJR東日本・JR西日本 共同ニュースリリースから