小田急電鉄は,2024(令和6)年度の設備投資計画を発表した.「安全対策の強化」と「サービスの向上」を重点とした設備投資額は413億円となる.
「サービスの向上」では,8000形の代替車両として,5000形2本(20両)を新造する.新造される2本のうち1本については,効率的なメンテナンス手法(CBM)を進めるため,線路や架線など鉄道設備のモニタリングを行なう装置を搭載する.
6両編成の3000形については,引き続き3本をリニューアルし,各車両に車いす・ベビーカースペースを1ヵ所設置する.あわせて,省エネルギー化が図られる制御装置の搭載やオイルフリーコンプレッサーへの更新などにより,環境にさらに配慮した車両とする.
「安全対策の強化」では,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し,相模大野・海老名・中央林間・大和の各駅(全14ホーム)で2024(令和6)年度中にホームドアの使用を開始する.また,豪徳寺駅と千歳船橋,喜多見の各駅などでは,ホームドア整備に向けたホームの補強工事などに着手する.今後も新宿から本厚木までの全駅と藤沢駅への設置を進める.
大規模な地震に備え,町田—相模大野間にある「JR横浜線こ線橋」と「境川橋梁」,相模大野—東林間間にある「小田原線こ線橋」で,橋脚の補強などを実施する.また,相模大野—東林間間にある「小田原線こ線橋」や世田谷代田—登戸間の高架橋でも耐震補強を進めるほか,玉川学園前駅や相武台前駅,座間駅でホーム上家の耐震補強を実施する.新松田—開成間の「酒匂川橋梁」などでは,劣化した塗膜の塗り替えを実施する.
このほか,犯罪の抑止や事件の早期解決などを目的として,車両への防犯カメラの設置を進める.2024(令和6)年度は特急車両2編成,通勤車両32編成への設置を予定しており,一部を除いて2025(令和7)年度の設置工事完了を目指す.なお上記の5000形導入と3000形のリニューアルにより,このほか5編成に車内防犯カメラが搭載される.また,この防犯カメラの映像を,車外からもリアルタイムで確認できる仕組みの構築に取り組む.
駅舎改良工事では江ノ島線の中央林間駅で引き続き,ホームドアの整備工事やホームと車両乗降口の段差・隙間の縮小工事,上りホーム一部の拡幅工事を実施する.また鶴川・藤沢の各駅では,地元自治体とともに自由通路整備と橋上駅舎化に向けて,基礎構築工事を実施する.
詳しくは,小田急電鉄ニュースリリースに掲載されている.
一部画像は小田急電鉄提供