鉄道ファン2025年1月号(通巻765号)
『鉄道ファン』2025年1月号
2024年11月21日発売
特別定価1400円(税込)
鉄道ファン2025年1月号
2024年11月21日発売
特別定価1400円(税込)
鉄道ファン2025年1月号(通巻765号)
特集 新幹線最前線2025
目次を見る
アンケートdeプレゼント

京王,新形通勤車両「2000系」を導入へ

京王,新形通勤車両「2000系」を導入へ

▲外観イメージ

京王電鉄は,京王線に新形通勤車両「2000系」を導入すると発表した.

京王,新形通勤車両「2000系」を導入へ

▲外観イメージ

 2000系は,「もっと、安全に、そして安心して、これからもずっと、のっていただける車両を。すべての世代に、やさしく、そして、ワクワクしてもらえる車両を」をコンセプトとし,外観は,前面・側面ともに円をモチーフにしたラウンド形とすることで,多くの人が優しさを感じ,安心できる車両を表現している.
 内装についても同様にラウンド形をモチーフとし,心を落ち着かせるナチュラルな空間を演出する.京王グループの感性AI株式会社が提供する,人の感性を分析できるAIサービスも用いることで,幅広い世代の利用者や多様な社員の声から得られたニーズを分析し,最もコンセプトにマッチするデザインを採用した.

京王,新形通勤車両「2000系」を導入へ

▲大形フリースペース(仮称)のイメージ

 子育て世代やシニア世代など,年齢や性別,また目的を問わず,あらゆる利用客が安全・快適に鉄道を利用できるよう,車両乗降時にエレベータに近い5号車に,京王で初めてとなる大形フリースペース(仮称)を導入する.座席を廃止することでベビーカーや車いす利用者にとって利用しやすいエリアとし,加えて,子どもが夢中になれるような大形窓を設置する.
 各車両には,リアルタイム伝送機能を持つ車内防犯カメラを4台設置する.車両代替新造により,全車両の通路が貫通した車両を導入することで,車両併結による非貫通車両の解消を図るほか,乗客が乗務員などへトラブルの発生を速やかに通報できるよう,車内非常通話装置の双方向対話式化を進める.
 バリアフリーや快適性については,車いすスペースを各車両に1ヵ所設置するほか,開いているドアをチャイム音で知らせる装置を設置する.より多くの乗客がつり手を利用できるよう,ドア付近のつり手を5個増設する.「ナノイーX」方式の空気清浄機を各車両に2台搭載し,車内環境の向上を図る.

※ナノイーXはパナソニック株式会社の商標です.

京王,新形通勤車両「2000系」を導入へ

▲車両内装のイメージ

 消費電力の削減や車両の軽量化を図るため,従来より環境性能をさらに高めた低損失のパワーデバイスであるフルSiC素子を用いた新形のVVVFインバータ制御装置を導入する.これにより,7000系と比較し約20%の省エネ性能が向上する.
 DXの推進として,車両機器を常に監視できる車両情報管理装置を採用し,車両不具合時の早期対応や,蓄積したデータを予防保全に活用し,さらなる安全性・安定性の向上とともに鉄道オペレーションの高度化・効率化を図る.
 2000系は,2026(令和8)年初めに10両編成1本が営業運転を開始し,2027(令和9)年3月までに10両編成4本を導入する計画.なお,YouTube京王電鉄公式チャンネルでは6月1日(土)から,2000系の開発プロジェクトに込められた想いや,構想過程の裏側にフォーカスした動画の配信を予定している.
 ※詳しくは,京王電鉄ニュースリリースに掲載されている.

画像はすべて京王電鉄提供

このページを
シェアする