鉄道ファン2024年6月号(通巻758号)
『鉄道ファン』2024年6月号
2024年4月19日発売
定価1250円(税込)
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JR四国,2024年度の事業計画を発表

JR四国8000系リニューアル車

写真:JR四国8000系リニューアル車  編集部撮影  多度津工場にて  2023-12-5(取材協力:JR四国)

JR四国は,2024(令和6)年度の事業計画を発表した.

 2024(令和6)年度は,景気は回復基調となることが見込まれるものの,物価動向や海外情勢の影響による経済の不確実性など,経営環境は不透明な状況が続くと想定される.このような中で,「中期経営計画2025」の4年目として目標達成に向けた正念場であり,次の飛躍につなげる年度と位置づけ,「鉄道事業における収益拡大施策の推進」「構造改革の加速」「非鉄道事業における最大限の収益拡大」の3点を重点実施項目として各種施策に取り組む.
 「鉄道事業における収益拡大施策の推進」では,鉄道運輸収入の安定的な確保を目的に,2024(令和6)年3月のダイヤ改正で実施した徳島駅でのタクトダイヤ設定をはじめ,土讃線 高知—伊野間,高徳線 高松—引田間でのパターンダイヤ導入や,特急“南風”の指定席拡大,松山駅高架化開業にあわせた同駅への自動改札機導入などにより,利便性の向上と利用促進を図る.
 最繁忙期における新幹線接続特急列車のさらなる指定席拡大を検討する.松山駅高架化開業を最大限に活かした利便性の高い輸送体系を構築するとともに,より便利で快適な鉄道輸送サービスの提供に向け,チケットアプリやデジタルサイネージの拡大,8000系特急電車のリニューアル編成を増やす.

JR四国2700系

写真:JR四国2700系  編集部撮影  多度津工場にて  2019-1-23(取材協力:JR四国)

 チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」については,機能向上や商品ラインナップを充実し,「e5489」などとあわせた定着と利用拡大を進める.WEBを活用した非対面販売や「みどりの券売機プラス」も含め,これらを一体的にPRする「JR四国スマート改革」キャンペーンを継続して実施する.チケットアプリについては,将来的なMaaS構想も念頭に,ほかの交通事業者との連携を検討するとともに,障がい者割引制度への対応に向けた検討・開発を行なう.
 2024(令和6)年3月に開業した「TAKAMATSU ORNE」や2024(令和6)年秋の松山駅高架化開業にあわせた商品造成などにより鉄道の利用促進を図る.「瀬戸大橋線ご利用3億人キャンペーン」など四国内のイベントや周年行事と連携して観光需要の創出や誘客促進に努める.

JR四国キハ185系「伊予灘ものがたり」

写真:JR四国キハ185系「伊予灘ものがたり」  編集部撮影  多度津工場にて  2022-2-21(取材協力:JR四国)

 観光列車については,車内サービスのブラッシュアップや特別企画の実施,列車と着地素材,宿泊などをセットにしたユニット商品の旅行会社への販売を強化するとともに,観光列車を通じた四国の魅力の幅広い情報発信を行なう.鉄道の速達性や定時性を活かした,新たな荷物輸送サービスの実施に向けて検討を深度化するとともに,「サイクルトレイン」の混乗試験の継続実施など,鉄道の輸送力を活用した新たなサービスによる収益源の多様化や利用促進を図る.

JR四国1500形

写真:JR四国1500形  編集部撮影  高松運転所にて  2006-4-24(取材協力:JR四国)

 「構造改革の加速」では,持続可能な経営体質の構築に向け,自動化機械導入による多度津工場の近代化やハイブリッド式ローカル車両の開発,ワンマン運転の拡大,駅設備改良など,支援措置を活用した設備投資による省力化・省人化施策を着実に進めることで生産性の向上を図る.
 2025(令和7)年度における「5カ年推進計画2021〜2025」の総括検証と事業の抜本的な改善方策の検討を見据え,地域の関係者と一体で将来のあるべき交通体系の構築に向けた建設的な議論・検討を進める.「MaaS」の考え方のもと,鉄道やバスなどが特性を発揮し,連携した利便性の高い移動を提供できるよう,パターンダイヤのさらなる拡大や,沿線地域の関係者と一体となったモビリティ間の連携,交通結節機能の強化などの具体的な取組を進めることで「公共交通ネットワークの四国モデル」を追求する.

JR四国,2024年度の事業計画を発表

▲松山駅高架化イメージ

 まちづくりとの連携では,松山駅付近連続立体交差事業・松山駅周辺土地区画整理事業・松山駅交通拠点機能強化について,愛媛県・松山市とともに検討を進めるとともに,徳島駅周辺のまちづくりについても徳島県などとの協議を継続する.また,自治体と連携して,駅前広場や駅舎などの駅周辺整備について検討・整備を進める.
 「非鉄道事業における最大限の収益拡大」では,将来において鉄道事業と並ぶ柱となり,グループ経営を支える事業の確立を目指した取組について,グループ一体となって進める.「TAKAMATSU ORNE」の集客に向けた取組や,松山駅高架下開発・松山駅周辺再開発を進める.

一部画像は「JR四国グループ事業計画2024/2024年度事業計画」から

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