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東武,「SL大樹」の燃料の一部をバイオ燃料に置き換える実証実験を開始

東武鉄道 C11 325号機

写真:東武鉄道 C11 325号機  伊藤久巳撮影  東武鉄道南栗橋車両管区にて  2020-12-2(取材協力:東武鉄道)

東武鉄道と東武商事は,2024(令和6)年1月31日(水)から「SL大樹」の燃料(石炭)の一部を,植物原料由来のバイオコークスに置き換える実証実験を開始すると発表した.なお,蒸気機関車にバイオ燃料を使用することは国内で初めての取組となる.

 本実験では,蒸気機関車のボイラーの圧力維持と保護をするため常時石炭を燃焼させる保火作業において,燃料の40%をバイオコークスに置換え,燃焼効率やボイラーへの影響など実用性を検証する.
 あわせて,ディーゼル機関車を使用する「DL大樹」の燃料(軽油)の約50%を,バイオディーゼル燃料混合軽油「B5」に置き換える.これらにより,二酸化炭素の排出量を年間150t(一般家庭約50世帯分が年間に排出する二酸化炭素量に相当)以上削減できる見込みとしている.

東武,「SL大樹」の燃料の一部をバイオ燃料に置き換える実証実験を開始

写真:東武鉄道DE10 1099号機  目黒義浩撮影  下今市にて  2017-8-20

 「SL大樹」は「鉄道産業文化遺産の保存と活用」と日光・鬼怒川エリアを中心とした新たな「地域の観光活力創出」を目的として,復活運転を開始しているが,今回の取組により二酸化炭素排出量の削減を図り,持続可能な蒸気機関車の運行を目指す.なお,バイオコークスについては滋賀バイオマスから,バイオディーゼル燃料混合軽油は三和エナジーから東武商事が調達する.
 本実験の結果を踏まえ本格運用を検討するほか,将来的には日光エリアでバイオ燃料バスを運行する東武バス日光が目指す「地産地消形のエネルギーサイクル」構築に向けた取組と連携しながら,バイオ燃料の使用比率を上昇させる試験を継続する.

東武,「SL大樹」の燃料の一部をバイオ燃料に置き換える実証実験を開始

▲ナンバープレート・所属札のイメージ

 なお,本実験期間中は,検証を行なう蒸気機関車のナンバープレートを緑色に,ディーゼル機関車については所属札を緑色に変更する.

写真はすべてイメージです.

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