JR東日本は,上野駅において,「上野広小路口ビジョン/ポレイア広場/シェアサイクルポート」と「PLATFORM13」の一部を,2024(令和6)年1月24日(水)に開業すると発表した.
「Beyond Stations 構想」のモデル駅である上野駅については,駅を「交通の拠点」から「文化創造HUB」をコンセプトに掲げた「暮らしのプラットフォーム」へと転換するとしている.これは,東京藝術大学などの地域や企業とともに,藝術(アート・音楽など),地域・生活文化,日本芸能を主軸に,多くの人が集う交流拠点である駅の特性を最大限に活かし,デジタル,テクノロジーなどを融合させたイベントや新たな文化創造サービスを展開し,駅が「心豊かな生活」を実現できる場にするもの.
「上野広小路口ビジョン」は,約50m²(W9.5m×H5.0m)の巨大なL字形サイネージという特徴を活かし,3D映像と音声を組み合わせた迫力ある演出を展開する(2D映像も放映可能).本ビジョンの象徴キャラクターとして,上野のまちで愛される「パンダ」(画像右)を3D技術でリアルに再現する.今後は,地元や地域文化施設,企業各社などとの連携を行なう存在として活かしていく.
開業記念として,松竹株式会社と連携し,日本の伝統文化「歌舞伎」の演技をするパンダの3D映像を制作,放映する.なお上野広小路口ビジョンは,東京都のキャップ&トレード制度などを活用し,CO2排出量(年間274t-CO2)を実質ゼロにした「ゼロカーボンメディア」として運用する.
「ポレイア広場」は,約140m²におよぶイベントスペースを新設し,給排水設備や電気設備を整備する.上野広小路口ビジョンで放映される広告映像にあわせてポレイア広場で実物に触れられるイベントや,キッチンカーによる販売などに幅広く利用できる.
広場には,上野駅の新たなシンボルとして,「UENO」の文字をあしらったオブジェ(幅2.3m×高さ0.7m)を設置する.オブジェを中心に,上野駅舎のファサード,上野広小路口ビジョンおよびポレイア広場を1画面に収められるフォトスポットとして利用できる.
「シェアサイクルポート」は,台東区内でシェアサイクル事業を多拠点展開しているOpenStreetと連携し,44台分のラックを設置することで,上野駅を拠点に谷中・根津・千駄木方面や浅草・蔵前方面などに自転車でアクセスすることが可能となり,地域の回遊性(つながり)向上を図る.なお,OpenStreet株式会社が運営するシェアサイクル「HELLOCYCLING」の台東区内の駅への設置は初めてとなる.
「PLATFORM13」は,全長約100mの13番線地平ホーム壁面にプロジェクターを用いて,デジタルアート映像を大きく投映し,乗客が気軽に芸術に触れ合える機会を提供する.なお13番線ホームは,電車発着ホームとしても引き続き利用する.
今回は全体の約1/4にあたる約25m分の部分を先行開業し,JR東日本が包括連携協定を締結している東京藝術大学などと協力し,「藝大アートプラザ・アートアワード」デジタルアート部門の作品を投映する.
画像はすべてJR東日本提供