JR西日本と京都市では,京都駅に新橋上駅舎・自由通路を整備すると発表した.
駅の周辺では,京都市立芸術大学の京都駅東部への移転をはじめとした,まちの活性化の取組が進んでおり,交通結節点としての更なる機能強化が求められている.また,時期や時間帯によって発生している駅構内や南北自由通路での混雑の緩和を図る必要があるとしている.
こうした状況を踏まえ,JR西日本と京都市では,駅の安全性・利便性・快適性の向上のための具体策について,協議・検討を進めてきた.
また国がまとめた「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」には,京都市の要望に応じて「鉄道駅改良への支援」,「交通結節点の整備等によるまちづくりへの支援」が盛り込まれていることを受け,国に最大限の支援を依頼したうえで,京都駅構内と南北自由通路改善のための京都駅新橋上駅舎・自由通路の整備を,JR西日本と京都市が連携して進める.
今回の計画では,京都駅の南北自由通路の西側に,新橋上駅舎(新改札口・コンコース),自由通路を一体的に整備する.あわせて,日本郵便と京都駅ビル開発が計画している共同開発ビルへの接続についても協議を進める.
新橋上駅舎には,昇降設備として,嵯峨野線ホームにエスカレータ上下各2基とエレベータ1基,JR京都線各ホームにエスカレータ上下各1基とエレベータ1基,琵琶湖・湖西線ホームにエスカレータ上下各1基とエレベータ1基を整備する.新改札口の自動改札は4通路とし,うち1通路は幅広タイプとする.自由通路は,幅員約6mとする.
京都を代表する玄関口である,京都駅の交通結節機能の強化により,市全体の持続的発展や活性化を図る.また,人の流動を誘導・分散する新たな動線確保による駅周辺地域全体の活性化や駅ホーム,南北自由通路,駅前広場(バス乗り場など)の混雑緩和が期待されている.
事業費は約195億円とし,京都市による事業費を負担と国から最大限の支援を受けられるよう,補助を申請する予定.供用開始は2031(令和13)年度を予定している.
一部画像はJR西日本・京都市 共同ニュースリリースから