鉄道ファン2025年1月号(通巻765号)
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特集 新幹線最前線2025
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名鉄・阪急・阪神・近鉄・JR九州
クレジットカードなどによるタッチ決済を順次拡大

名古屋鉄道 2000系“ミュースカイ”

写真:名古屋鉄道2000系“ミュースカイ” 百々貴俊撮影

三井住友カード・ジェーシービー・日本信号・QUADRACが展開するクレジットカードなどによるタッチ決済の導入(実証実験)について,鉄道事業者・グループ会社への順次導入が進んでいる.
 このサービスは,三井住友カードが提供する公共交通機関向けソリューション「stera transit(ステラ トランジット)」を活用し,タッチ決済対応のカード(クレジット,デビット,プリペイド)や同カードが設定されたスマートフォンなどで決済ができるもの.

 名古屋鉄道では,2024(令和6)年春から2025(令和7)年3月末(予定)まで,中部国際空港・名鉄名古屋・金山の3駅を中心とした一部の対象駅で,タッチ決済サービスの実証実験を実施する.
 沿線地域では,新型コロナウイルスの5類移行にともなう行動制限解除による人流の回復や,中部国際空港(セントレア)における国際便運航の再開や増便に加え,「アジア競技大会」などの大規模イベント開催を控え,国内外からの来街者の増加が見込まれている.タッチ決済による改札通過を可能とすることで,「チャージ不要な運賃支払い方法の提供による利便性向上」,「国内外問わず使い慣れたクレジットカードなどの利用よる窓口対応業務の軽減・混雑緩和」など,よりスムーズで快適な移動環境の構築や,街の魅力向上に寄与することが期待されている.
 これにあわせて,名古屋鉄道が提供するエリア版MaaSアプリ「CentX」内で購入したデジタルチケットで表示されるQRコードを,改札の入出場時に専用リーダにかざすことで通過できる実証実験も行なう.将来的には,タッチ決済対応のカードなどを活用した,沿線施設での買い物や食事などのサービスとの連携も検討する.

阪急電鉄1000系

写真:阪急電鉄1000系  編集部撮影  西宮車庫にて  2013-11-22(取材協力:阪急電鉄)

 阪急電鉄と阪神電気鉄道では,通勤や通学,買い物などで日常的な利用客に加え,2025(令和7)年に開催される大阪・関⻄万博では,多くの訪日外国人の方の利用が見込まれることから,2024(令和6)年内に,タッチ決済による乗車サービスを開始する予定.

阪神電気鉄道5700系

写真:阪神電気鉄道5700系  編集部撮影  尼崎車庫にて  2015-6-12(取材協力:阪神電気鉄道)

 阪急電鉄では,専用リーダを設置した改札機を少なくとも全駅の各改札に1台設置する.また阪神電気鉄道では,駅長室や各駅係員窓口に専用リーダを設置して本サービスを開始し,2025(令和7)年春ごろから全駅の一部改札機でも本サービスに対応する.なお,阪神電気鉄道グループでは,六甲ケーブル・六甲山上バスでも,2024(令和6)年春にクレジットカードなどのタッチ決済を導入する予定.

近畿日本鉄道 9820系

写真:近畿日本鉄道9820系  百々貴俊撮影  石切にて  2016-5-20

 近畿日本鉄道でも,阪急電鉄・阪神電気鉄道と同じく,2024(令和6)年内に近鉄線全駅(竹田駅・柏原駅・生駒鋼索線の各駅を除く)を対象に,クレジットカードなどのタッチ決済を導入する予定.

JR九州指宿枕崎線

▲JR九州のタッチ決済を活用した実証実験対象駅(JR九州ニュースリリースから)

 JR九州では,これまで鹿児島本線 門司港—久留米間と香椎線 海ノ中道駅の計50駅を対象に行なっているタッチ決済を活用した実証実験の対象エリアに,指宿枕崎線の18駅(鹿児島中央—指宿間)を追加した.
 実証実験は2024(令和6)年3月31日(日)まで実施され,引き続き,日常利用・訪日外国人を含む来街者の利便性の向上やサービスの効果について,検証を進める.

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