南海電気鉄道8300系と泉北高速鉄道9300系が,2023(令和5)年度の「グッドデザイン賞」に選出された.
8300系と9300系は,「省エネルギー化」,「安全・サービスの向上」,「車両メンテナンスの向上」を目指して開発された車両で,「人と環境に優しい車両」として製造された.
通勤用の鉄道車両は基本設計を共通とすることが多く,個性が出しにくいなかで,この2車両は,グループとしての共通項と,会社ごとの独自性を絶妙に両立しており,車内の木目調の床と人数を2トーンで色分けしつつ落ち着いた色調の座席は,住宅のインテリアを思わせる点や,9300系はダークな木目調と暖色系の座席とすることで,ニュータウンを走る鉄道車両としての差別化を実現していること,空港アクセス鉄道で重要な多目的空間を導入するなど,多様化に配慮している点が評価された.