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JR北海道,「北海道ボールパークFビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅計画を見直し

JR北海道,「北海道ボールパークFビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅計画を見直し

▲新駅イメージ

JR北海道では,「北海道ボールパークFビレッジ」に隣接し,千歳線 上野幌—北広島間に設置予定の新駅計画について,工事費圧縮・工期短縮を配慮した見直しを行ない,新たな計画を策定したと発表した.

JR北海道,「北海道ボールパークFビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅計画を見直し

▲新駅の位置平面図

 新駅の計画は,JR北海道は北広島市から請願を受け,2021(令和3)年9月に市からの調査設計を受託し,検討を進めてきたが,労務賃金や資材の高騰により工事費が増加傾向にあり,2023(令和5)年3月に市から再検討の依頼を受けていた.

JR北海道,「北海道ボールパークFビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅計画を見直し

▲当初の計画図(参考)

 新たな計画においては,「乗客が集中しても安全に利用できる駅設備」,「列車通過時の乗客の安全と列車への乗降時分が十分に確保できる線路配置」,「臨時列車対応のための折返し機能の確保(北広島駅設備の利活用)」,「ボールパークエリアと新駅間のスムーズな移動経路の確保」,「新駅の位置は新駅周辺の新たなまちづくりが誘導されるよう配慮する」の5点を考慮しており,駅構造も当初の「島式1面4線」から「相対式2面4線」に変更する.

JR北海道,「北海道ボールパークFビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅計画を見直し

▲新駅線路平面図

 見直しにより,駅の位置を北広島方に約200m移動させることが可能となり,改札の位置を球場3塁側「3rd BASE GATE」から直線上の位置とし,球場までの距離が400mから300mに短縮される.支障する歩道の付替えを行なうことなどを北広島市から認めてもらうことにより,用地の使用可能範囲が広がり,擁壁などの土工設備が不要となる.

JR北海道,「北海道ボールパークFビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅計画を見直し

▲新駅線路平面図(駅施設部拡大)

 また,列車の折返し機能を北広島駅に確保することとし,当初計画されていた新駅への引上げ線の設置をとりやめることで上り本線・下り本線の移設工事を不要とする.工事により新設する待避線や乗降場を,上り本線・下り本線から可能な限り離れた位置に設置することで,本線を走行する列車のために工事の一時中断などをすることなく継続して実施する.
 改札内旅客通路(鉄道施設)と自由通路(市施設)の構造を一体化することで,橋脚などの構造部材の数量や桁架設工事の回数を減らす.

JR北海道,「北海道ボールパークFビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅計画を見直し

▲北広島駅構内概略図(2番線から札幌方面に折り返す機能を確保)

 工事費については,おおむね85〜90億円とし,今後,詳細設計を実施し工事費を精査する.工期は設計・行政手続き約1年,工事期間約4年としているが,工事着手の時期は未定で,計画通りに予算措置されない場合や資材・機器調達が遅れた場合は,工期が延びる可能性がある.
 今後新駅については,上記の計画によって設置することを市と合意した場合,新駅の工事着手に向けて,JR北海道が新駅施設の詳細設計や鉄道事業法の手続きを行ない,北広島市は工事費資金の確保,用地取得,関係する都市計画変更の手続きを進める.

画像はいずれもJR北海道ニュースリリースから

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