京浜急行電鉄とJR東日本は,両社が事業主体となる品川駅街区地区の開発計画について,国家戦略特別区域会議のもとに設置された東京都都市再生分科会が開催され,本計画に関する都市計画手続きが開始されたことから,その概要を発表した.
本計画地は,「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020」(東京都)において,駅の乗換えや,駅と周辺地区との歩行者ネットワークの強化など,国際競争力を高める取組により「これからの日本の成長をけん引する国際交流拠点・品川」の形成が求められている.また,「品川駅 えきまちガイドライン 創造編 2023」(品川駅えきまち調整部会)においては,個性ある周辺のまちをつなぎ・多様な交通モードをむすび・時代を先取りする「新たな価値」をうみだす「新たなえきまち」とするための空間形成の方針・具体施策が示されている.
本計画は,京浜急行本線連続立体交差事業で整備される京浜急行電鉄 品川駅の鉄道施設が建物内に配置されるもので,事業と一体となって,東西・南北方向の歩行者ネットワーク強化などの駅と街をつなぐ一体的な都市基盤整備や,新たな価値・文化を創出・発信する空間の構築などの国際交流拠点にふさわしい都市機能の導入,防災機能強化と先導的な環境都市づくりにより,国際交流拠点・品川の形成に寄与するものとしている.
今後は,東京圏国家戦略特別区域の都市再生プロジェクトとして,内閣総理大臣による区域計画の認定に向け,東京都都市計画審議会や国家戦略特別区域会議等の手続きが進められる予定.また,本計画では,高輪築堤跡第7橋梁部(国指定史跡)の保存管理・活用に取り組むなど,まちづくりと文化財保護の両立を図る.
これまでも埋蔵文化財に関する調査は実施されてきたが,今後も,文化財行政などの指導を受けながら,丁寧に文化財調査などを実施する予定.調査の結果,埋蔵文化財が出土した場合は,文化財保護法等関係法令に則した対応や,埋蔵文化財の出土状況に応じたスケジュール確保,有識者や文化財行政を交えた会議体などでの助言・意見を取り入れ,適切な保存方法を検討する.
なお,現地保存,移築保存,記録保存など保存方法に応じて,施工計画や建物計画,都市計画などの変更が必要となった場合は,事業計画の見直しや必要な関連手続などを進める.