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関水金属・鶴ヶ丘新工場と「KATO Railway Park」の建設状況を発表

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新倉庫内にて整備中の「OLIVER(オリバー)」号

▲新倉庫内にて整備中の「OLIVER(オリバー)」号

鉄道模型の製造・販売を行なう関水金属(KATO)は,関越自動車道路と圏央道が交差する鶴ヶ島ジャンクション近くに開設する鶴ヶ丘新工場(SEKISUI WORKS)と関連施設の建設状況について発表した.

 新工場の敷地面積は3.25ヘクタールで,すでに運用を開始している新倉庫も併設されている.現在稼働中の工場がある埼玉県鶴ヶ島市とは,ふるさと納税のパートナー企業として,長年にわたり連携を深めてきた経緯があり,新工場建設を決めたことを契機として,鶴ヶ島市と2019(令和元)年10月には包括連携協定を締結している.この協定にもとづく連携事業として,工場敷地内の緑地を隣接する鶴ヶ丘児童公園も含め「イングリッシュ・ナチュラル・ガーデン」として一体的に再整備され,新工場の外側からも安全にゆっくりと見学ができる構想となっている.
 新工場・倉庫の外周とイングリッシュ・ナチュラル・ガーデンには,軌間762mmと610mmの2種の軌道を敷設し,三線軌条(デュアルゲージ)のナローゲージ保存鉄道「KATO Railway Park(関水本線)」を運行する.線路は,新工場をとりまくエンドレスにて一周約620mもの非電化の単線鉄道で,機関庫を併設した駅が設置される.また機関庫とは別に,ナローゲージ展示室を新工場に隣接して設置し,シンボルとなるナローゲージ車両を保存展示する.

軌間762mmと610mmの三線軌条(デュアルゲージ)となる「KATO Railway Park(関水本線)」

▲軌間762mmと610mmの三線軌条(デュアルゲージ)となる「KATO Railway Park(関水本線)」

 このうち,軌間762mmの車両については,1948(昭和23)年に製造された,もと台湾糖業公司のベルギー製蒸気機関車「362号機」を大改修し,外観も含めてリニューアルすることで,新たな愛称「OLIVER(オリバー)」号として運行する.同機関車は,1986(昭和61)年に日本に渡り,長野県で長年活躍した経緯を持つ.
 また,もと関東特殊鋼(カントク)の酒井工作所製7トンディーゼル機関車「DL3(No.143号機)」も再整備し,新たに「BILLY(ビリー)」号とする.客車についても,再整備により上記の機関車とともに運行する予定となっている.
 さらに埼玉県になじみ深い車両として,もと西武鉄道初代山口線で活躍した蒸気機関車532号と木造客車34号,ユニークな外観で人気のあった蓄電池機関車と遊覧客車(通称:おとぎ電車)を全国各地から再集結させて整備する.特に蓄電池機関車は動態保存とし,実際に走らせる予定.

新製の蒸気機関車「OSCAR」号完成予定イラスト

▲新製の蒸気機関車「OSCAR」号完成予定イラスト

 軌間610mmの車両については,英国の2軸タンク機関車からインスピレーションを受けた新製蒸気機関車「OSCAR(オスカー)」号が,羅須地人鉄道協会のTiny Engineering協力のもと製作が進められている.なお「OSCAR」号は,2023(令和5)年8月4日(金)から6日(日)に新宿住友ビル三角広場で開催される「鉄道模型コンテスト 2023 全国大会」会場でも静態展示を予定している.
 鶴ヶ丘新工場(SEKISUI WORKS)と「KATO Railway Park(関水本線)」が敷設されるイングリッシュ・ナチュラル・ガーデンは,見た目の麗しさばかりではなく,かつてこの鶴ヶ島市の地に存在していた野草を中心として,昆虫や野鳥との共生にも取り組み,ノアザミやヤマブドウといった草花が当たり前のように摘まれていた時代の環境をよみがえらせることを目指す.これは,鶴ヶ丘新工場(SEKISUI WORKS)のメインデザインの基礎で「町または村まるごと時代を保存する」という英国の鉄道遺産(保存鉄道)の考えから得たものであり,鉄道車両だけ走らせても現役当時を知らない人には伝わりづらい,当時の景色とともに不便さや危うさを体感できてこそ遺産となり得ると考えたためである.
 「KATO Railway Park(関水本線)」は,2024(令和6)年度中に完成を予定しているが,一般公開と走行については鶴ヶ島市と関水金属が連携して運営する.鶴ヶ丘児童公園(KATO Railway Park)は常時入園可能となるが,関水本線や機関庫,車両は通常は非公開となる.

画像はいずれも関水金属(KATO)提供

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