JR西日本は,東海道・山陽新幹線車両「N700S」を追加導入すると発表した.2023(令和5)年8月ごろに1編成,2024(令和6)年2月ごろに1編成を導入する.
「N700S」は,ATCとブレーキシステムの改良により,地震時のブレーキ距離を「N700A」タイプから5%短縮し,大容量のデータ通信を採用したことで,これまで以上に詳細な機器データの取得・分析が可能となるなど,車両の状態監視機能を強化している.
バッテリ自走システムを搭載し,長時間停電時には乗客の避難場所まで自力走行ができるほか,乗客と乗務員が通話する装置を客室内に設置し,指令所の係員との通話も可能とするなど,異常時の即応体制を整備した.
グリーン車,先頭車およびパンタグラフ搭載車には,フルアクティブ制振制御装置を搭載し,全席にモバイル用コンセントを設置したことで快適性・利便性の向上を図っている.また,車いすスペースについても6席に拡充している.
あわせて,現在運転している「N700A」タイプに対し,「N700S」に採用する機能の一部を反映する改造を行なう.改造については,40編成を対象に,2024(令和6)年度から2026(令和8)年度にかけて博多総合車両所で行なう.
ATCとブレーキシステムの改良により,地震時のブレーキ距離を従来の「N700A」タイプから5%短縮することで安全性の向上を図る.大容量のデータ通信を実現することで,これまで以上に詳細な機器データの取得・分析が可能となり,車両の状態監視機能を強化する.パンタグラフやブレーキ装置の摩耗部品の長寿命化を図り,メンテナンスコストを削減する.
写真:JR西日本ニュースリリースから