京王電鉄は,2023(令和5)年度に鉄道事業において,総額380億円の設備投資を行なうと発表した.
車両については,座席指定列車「京王ライナー」のサービス拡充を図るため,5000系1本(10両)を導入する.この車両にはリクライニング機能が付いた,ロング/クロスシート転換座席を搭載する.
京王線8000系3編成(26両)については,より省エネ性能の高いVVVFインバータ制御装置へ更新する.また,車両機器情報データを活用し,京王線での省エネ運転の導入を進める.照明の省エネルギー化として,永福町駅や南大沢駅などのホーム・コンコース照明のLED化工事を実施する.
防犯・安全対策として,リアルタイム伝送機能を持つ車内防犯カメラの全車両への導入を2023(令和5)年度に完了する.また,リアルタイム伝送機能を持つホーム上防犯カメラについても,2023(令和5)年度に全駅に設置する.なお,2022(令和4)年度末時点の設置状況は,車内防犯カメラが877両のうち656両,ホーム上防犯カメラが69駅のうち21駅となっている.
京王線笹塚—仙川間の連続立体交差事業については,引き続き用地取得や仮線準備工・高架橋の構築などを進める.
ホームドアについては,笹塚駅(2・3番線)や神泉駅などで整備を進める.また,ホームと車両の隙間を縮小するため,ホームドアの整備にあわせて転落防止ゴムの整備を進める.
駅のリニューアルについては,新宿駅新線口改札内のエスカレータの更新工事を進める.また,下北沢駅のホーム上屋の改修や府中競馬正門前駅・神泉駅・南大沢駅において,旅客トイレのリニューアル工事を実施する.
駅構内に設置されている「お客さま案内ディスプレイ」については,外国語による表示を可能とする多言語対応と異常時の案内機能を向上させた多機能化を進め,2023(令和5)年度は聖蹟桜ヶ丘駅など20駅に導入する.ホーム上の行先案内盤については,府中駅や多摩センター駅などにおいて,従来の4色表示からマルチカラー形に更新し,視認性を向上させる.
大規模地震に備え,高架橋や盛土区間,トンネル部(新宿—笹塚間)などの耐震補強工事やコンクリート製の電力柱を鋼管柱に更新する工事を,引き続き実施する.
踏切における安全対策では,飛田給11号踏切道と南平1号踏切道において,障害物検知装置を従来の線検知式から面検知式に更新する工事を行なう.さらに,富士見ヶ丘2号踏切道,久我山3号踏切道,三鷹台2号踏切道では,障害検知装置の新設工事を実施する.
特記以外の画像は京王電鉄のニュースリリースから