▲営業運転を再開する「蒸気機関車12号」

博物館明治村では，国内最古の動態保存蒸気機関車である「蒸気機関車12号」の営業運転を，2023（令和5）年4月20日（木）13時から再開すると発表した．
　蒸気機関車12号は，同村内で動態保存する蒸気機関車2両のうちの1両で，2019（令和元）年8月まで使用されたあと，同年9月から2020（令和2）年7月まで東海汽缶（静岡県）の工場内にてオーバーホール（大規模修理）を実施した．その後，同村内で試運転と整備を重ねる中で，2021（令和3）年9月に機関室下の板バネの破損が発生したため，約1年かけて修理が行なわれていた．2022（令和4）年10月14日（金）の「鉄道の日」からは約6ヵ月にわたり，再度試運転を行なっていた．
　運転再開日当日はSL東京駅を始発とし，SL名古屋駅までの間を3往復する．その後は当面の間，「蒸気機関車9号」をメインに使用し，「蒸気機関車12号」は運転日・本数を限定して運転する．さらに「蒸気機関車12号」の営業運転を積み重ねながら運転本数を増やす予定．
　「蒸気機関車12号」は1874（明治7）年に日本に輸入された，英国シャープ・スチュアート社製の機関車で，鉄道開業当初の新橋—横浜間を走行し，のちに尾西鉄道（現名古屋鉄道 尾西線）に譲渡された．1974（昭和49）年から明治村での動態展示が行なわれている．

写真：名古屋鉄道提供