日立製作所のグループ会社である日立レールは,インド共和国のチェンナイメトロ建設計画(フェーズ2)向けに,デジタル信号システムを受注したと発表した.受注金額は162億ルピー(約260億円/1ルピー=1.6円で計算)で,最先端の無線式列車制御システム(CBTC)と自動列車運転装置(ATO)を納入する.
CBTCは列車の最適な速度を常時計算し,自動的に制御することができる.この技術によって,90秒間隔での運行が可能となり,フェーズ2の列車運行区間の輸送能力を高いものとし,信頼性も向上する.
ATOを導入することにより,フェーズ2の運行区間で,列車は発車,最適な速度での走行,停止を自動的に行ない,運転士なしでの運転が可能となる.この技術により,安全性が向上するとともに,メンテナンスの手間の大幅な削減が期待できるとしている.またATOは車両基地内での無人走行,ドアの開閉,旅客向け運行情報システムにも活用される.
上記のデジタル信号システムは,インドで4番目に長い運行区間を有するメトロシステムである,タミルナドゥ州のチェンナイメトロに納入される.チェンナイメトロ建設計画(フェーズ2)では,地下42kmを含む総延長119kmが整備される予定である.
本件には,独立行政法人国際協力機構(JICA)の円借款の資金が提供される.契約範囲は,信号,列車 制御,ビデオ監視システムの設計,製造,納入,据付,試運転が含まれる.
画像:日立製作所提供