東芝インフラシステムズは,東武鉄道の新形車両向けに,車上バッテリシステムを納入したと発表した.
今回採用されたのは,東武鉄道が二酸化炭素排出量削減の取組として2024(令和6)年度から順次導入を開始予定である東武野田線(東武アーバンパークライン)の新形車両向けのもので,列車がブレーキを掛けた際に発生する回生エネルギーを蓄電池に蓄え,空調などの補助電力の一部として活用することで,省エネ運転や二酸化炭素の削減を図る.さらに装置故障などの非常時には,走行に必要なブレーキ用コンプレッサなどへの電源の供給を行なうことで,冗長性を確保する.
蓄電池には,東芝インフラシステムズのグループ会社が製造したリチウムイオン二次電池「SCiB™」が使用されている.「SCiB™」は,高い安全性や2万回以上の充放電が可能な長寿命,マイナス30℃の環境下にも耐え得る低温度動作などの優れた特性があり,特に安全性においては,外圧が加えられて内部短絡が生じても異常発熱や発火を起こしにくい構造となっている.
東芝インフラシステムは,2014(平成26)年に「SCiB™」を使用した地上用回生電力貯蔵装置(TESS:Traction Energy Storage System)を東武アーバンパークライン向けに納入しており,「SCiB™」を使用した車上バッテリシステムとTESSの組み合わせは初めてとなる.
画像はいずれも東芝インフラシステムズ提供