日立製作所のグループ会社である日立レールは,イタリアにおけるミラノ地下鉄の運営会社であるAzienda Trasporti Milanesi S.p.A.(アジエンダ・トラスポルティ・ミラネージ社/ミラノ市交通公社)との間で,ミラノ地下鉄1号線・2号線・3号線向けに,最大46編成(276両)の車両を納入する包括契約を締結したと発表した.
これは,最新技術を使用した,より持続可能な公共交通システムの実現に向けた,ミラノ市交通公社の大形投資計画の一部で,契約金は最大3億6800万ユーロ(約534億円)となっている.また,上記の包括契約にもとづいた最初の案件として,ミラノ地下鉄1号線向けの21編成(126両)を,1億6800万ユーロ(約244億円)で受注した.
車両は1編成あたり全長106.5m,アルミ製6両編成で,最高速度は時速90kmとなる.バリアフリー対応で,先頭から最後尾の車両まで視界が遮られることなく車内を見渡せるデザインとなっている.これまでの車両よりも騒音を抑えた走行が可能で,安全性の向上として,監視カメラの映像をリアルタイムで指令室に伝送できる.各車両には空調装置を搭載し,車体外装には落書き対策が施されている.
また,日立レールとミラノ市交通公社の脱炭素化と持続可能なモビリティの実現に向けたコミットメントに沿って,車両は高いリサイクル性の水準を満たすように設計されている.製造は,日立レールのイタリアの製造拠点であるナポリ工場とレッジオカラブリア工場が担当し,2024(令和6)年春から順次営業運転を開始する予定.
画像は日立製作所提供