叡山電鉄では,700系712号車のリニューアル工事が完了し,2022(令和4)年12月10日(土)から運転を開始すると発表した.
おもに1両で運転されている700系は,叡山電鉄で初めて冷房装置を搭載した車両で,1987(昭和62)年7月の運転開始から30年以上が経過したため,2018(平成30)年から順次リニューアルが実施されている.
今回リニューアルされた712号車の外装は緑を基調とし,「人と森が調和する沿線の景色」をテーマとしている.
座席には,中世から平安京の繁栄とともに育まれ,幾重にも続く幽寂閑雅(ゆうじゃくかんが)な杉の景色をあしらった.京都らしさの演出として,木村染匠のキモノ地を硝子に封入する「京友禅硝子」の技術や,川島織物セルコンのインテリアファブリックを融合した座席仕切りとし,ファブリックは,同社のトップブランド「Sumiko Honda」を採用.車両のテーマである「人と森が調和する沿線の景色」に彩りを添える桜やツツジ,蝶のデザインをセレクトし,杉の景色ともマッチし,リラックスできる空間を演出する.
さらに,「SDGs」の取組として,車内の照明や前照灯・尾灯,行先表示器にLEDを採用することで省エネルギー化を図り,二酸化炭素排出を削減する.
運転開始日の12月10日(土)は,修学院5:29発出町柳駅行きの列車から運転を開始する.なお,翌日以降の運用は未定としている.
運転開始を記念して,12月10日(土)から「712号車リニューアル記念乗車券」を発売するほか,運転開始前日の12月3日(土)・6日(火)にはプレイベントとして,車両展示撮影会・鉄道グッズ販売会と貸切運転(定員制・先着順)が実施される.
画像はいずれも叡山電鉄提供