車両については，既存の新1000形のうち，4両2本の車体更新と8両2本・4両2本の機器更新を実施する．車体更新にあわせ，ベビーカーや大形荷物を持った利用客向けにフリースペースを設置するほか，非常通報装置の増設や窓の開閉化などを行なう．車両機器の更新では，車内案内表示器の液晶ディスプレイ化による多言語対応などを充実させる．
　安全対策の強化については，引き続き，泉岳寺—新馬場間の連続立体交差事業を進める．事業は東京都の都市計画事業として同区間を高架化し，3ヵ所の踏切道を除却するとともに，品川駅の地平化と2面4線化を図り，利便性および安全性の高い駅へと再編する．
　大師線連続立体交差事業においては，地上部整備工事や，大師橋駅と小島新田駅の駅舎工事などを施工する．踏切安全対策として，発光信号機の増設や踏切障害物検知装置の設置に加え，近年増大する自然災害のリスクに備えるため，耐震補強工事，法面防護工事，大雨による浸水対策などを引き続き進める．

▲追浜駅標準形ホームドア（参考）

　駅改良工事では，ホーム上家延伸・改修（京急東神奈川，黄金町），エレベータ更新（上大岡），エスカレータ更新（天空橋，金沢文庫，追浜）を実施する．
　ホームドアの設置について，2022（令和4）年度・2023（令和5）年度に設置が予定されているのは，すでに発表されている京急東神奈川，日ノ出町，汐入に加え，梅屋敷，八丁畷，生麦，弘明寺，杉田，金沢文庫，金沢八景の計10駅となる．

▲泉岳寺駅改良工事のイメージ図

　将来の成長に向けた投資として，将来の航空旅客の増加や羽田空港アクセスの輸送力増強のため，羽田空港第1・第2ターミナル駅において引上線新設工事を行なう．泉岳寺駅については，駅と品川駅北周辺地区が将来の駅周辺地域開発による交流人口の飛躍的な増加が見込まれているため，ホームの拡幅およびコンコースの拡張や昇降施設，出入口などの機能強化を行ない，駅の利便性，安全性の向上やバリアフリー化を図る．
　アフターコロナの新たなニーズへの対応と将来の労働力不足を見据え，駅務機器の遠隔操作とカメラ付き通話対応が可能な「スマートサポートシステム」を8駅に導入し，遠隔・非対面による新しい駅営業様式を順次拡大する．
　このほか環境負荷低減に向けた取組として，駅や車両照明設備のLED化や省エネルギー設備への更新を行なう．
　詳しくは，京浜急行電鉄ニュースリリースに掲載されている．

一部写真は京浜急行電鉄ニュースリリースから