総合車両製作所は，東急電鉄の初代5000系（通称：青ガエル）の先頭車両を，横浜事業所で復原保存すると発表した．
　これは，総合車両製作所が2022（令和4）年4月で創立10周年を迎えたことから，その記念事業の一環として行なうもので，初代5000系は，製造後70年近い時を経て，生まれ故郷に里帰りすることになる．
　初代5000系は，総合車両所の前身である東急車輌製造により，1954（昭和29）年から1959（昭和34）年までに105両が製造された．当時の技術としては画期的な航空機由来の張殻構造（超軽量モノコック構造）と直角カルダン駆動台車方式を初めて量産化した鉄道車両であり，車両重量が1両あたり約10tも軽量化され，その後の新幹線車両に至る日本の鉄道車両における軽量化の先駆けとなった．
　復原予定の車両は，1956（昭和31）年に東急電鉄5000系デハ5015として製造された．その後，1980（昭和55）年に長野電鉄への譲渡のため同電鉄2500系モハ2510へと改造され，1997（平成9）年まで活躍した．現在車両は長野県内にあり，今後，2022（令和4）年から2023（令和5）年にかけて移送・復原を行なう計画．

写真：東急電鉄初代5000系（1957年12月撮影／総合車両製作所ニュースリリースから）
※実際に復原・保存される車両とは異なります．