学校法人芝浦工業大学は,同大学附属中学高等学校100周年記念事業の一環として,西武鉄道から,もと鉄道院「403号機関車」の寄贈が決定したと発表した.2022(令和4)年11月から,芝浦工業大学附属中学高等学校の新豊洲校地で一般公開される.
芝浦工業大学附属中学高等学校の前身は,鉄道省(鉄道院の後身,のちの日本国有鉄道,現JR各社の前身)の日本鉄道開業50周年記念事業のひとつとして,1922(大正11)年,東京市麹町区に開校した「東京鐡道中学」であることから,この縁をもとに,鉄道院時代に403号機として走行し,のちに川越鉄道(→西武鉄道)で4号機関車となって活躍後,西武鉄道で保管されていた同機関車を譲り受けることとなった.
「403号機関車」は,1886(明治19)年にイギリスのナスミスウィルソン(Nasmyth Wilson)社で製造され,車輪配置は1B1(先輪1-動輪2-従輪1),重量は約27t,全長は約9mのタンク式機関車である.同形式の機関車は日本鉄道創業時代に輸入されており,20世紀初頭には,これを模した国産蒸気機関車が製造されたため,日本工業の黎明期を伝える貴重な産業資産となっている.
画像は学校法人芝浦工業大学提供