東芝インフラシステムズは,韓国ソウル地下鉄の新形車両(336両)向けとして,永久磁石同期電動機(Permanent Magnet Synchronous Motor/PMSM)などの主回路電気品を納入したと発表した.
今回納入が完了したのは,東芝インフラシステムズが2019(令和元)年にソウル交通公社向けに韓国の車両メーカーである宇進産電から受注した,「PMSM」とそれを制御するけん引インバータ用の主要部材で,2006(平成18)年に「PMSM」を実用化して以降,今回の納入は海外の鉄道事業者として3例目の事例となる.また,ソウル地下鉄では初めての「PMSM」採用車両となる.
「PMSM」は,回転子に永久磁石を使用した高効率電動機で,従来のシステムに対して大幅な消費電力量が削減できる.さらに電動機内部の発熱量が減ることから,「全閉自冷式」を採用することで,低騒音化と内部への塵埃侵入が防止されることによる低保守化も可能となっている.
東芝インフラシステムズでは,ソウル地下鉄を含め韓国市場向けに1990年代から2000両以上の電車や電気機関車向けに電気品を納入するなど豊富な実績があり,今回の対象車両は金浦国際空港とソウル市内を結ぶ5号線とソウル市内と周辺の複数地域を結ぶ7号線に投入される予定.いずれも利便性の高い路線であり,当該地域の大量乗客輸送に大きく貢献することが期待されている.
写真:ソウル地下鉄7号線新形車両(東芝インフラシステムズ提供)