日立製作所のグループ会社である日立レールスペイン社は,スペインの鉄道運営会社であるIntermodalidad de Levante社(ILSA社)から,2052(令和34)年まで30年間にわたるETR1000形高速鉄道車両(20編成)のメンテナンスに関する契約について,7億3700万ユーロ(約980億円)で締結したと発表した.
ETR1000形車両は,イタリアにある日立のピストイアの工場で製造されており,メンテナンスについてはスペイン・マドリードで新規雇用される従業員により行なわれる.メンテナンスには予防保全や修理が含まれており,最先端の車両により乗客に最高レベルの信頼性と快適性を提供できるようサポートする.
営業運転は2022(令和4)年後半に開始する予定で,マドリード,バルセロナ,バレンシア,アリカンテ,マラガ,コルドバ,セビリアを結ぶ高速鉄道路線を,最先端の空気力学や省エネ技術,高い性能により運行効率の最大化を実現した車両となっている.また,車両素材にはリサイクル可能なものが85%,再生可能なものが95%使用されており,このような環境に配慮された車両設計は,ILSA社の最も持続可能な車両へのコミットメントや,日立の温室効果ガスの排出量削減という脱炭素戦略に貢献するとしている.
写真:日立製作所WEBサイトから