京阪電気鉄道は,2021(令和3)年9月25日(土)に,京阪線(京阪本線・鴨東線・中之島線・交野線・宇治線)と大津線(おもに石山坂本線)でダイヤ変更を実施すると発表した.
今回の変更は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない経営環境が大きく変化したことによるもので,利用客の志向の変化や需要の平準化に対応するため,利用状況に応じた運転本数の見直しや最終列車の繰上げなどを実施する.
平日ダイヤでは,早朝時間帯の淀屋橋・中之島の始発列車時刻を変更し,7〜8時台の京橋着下り列車(淀屋橋・中之島行き)の運転本数を,現行の63本から58本に変更する.また,平日朝夕ラッシュ時間帯に全車両座席指定の「ライナー」を3本増発し,座席指定サービスを拡大する.
昼間時間帯(10時〜15時台ごろ)は,各列車種別の運転本数を1時間あたり現行の6本から4本とする.同時間帯の淀屋橋—出町柳間では,快速急行を1時間あたり2本運転し,「プレミアムカー」サービスを実施する.
夕方のラッシュ時間帯以降(17時〜22時台)の各列車種別の運転間隔を,現行の10分〜12分間隔から12分〜15分間隔に変更する.なお,交野線・宇治線についても同程度とする.
各線における最終列車については,最大20分程度繰り上げる.土休日においてもすべての時間帯についてダイヤの見直しを行なう.昼間時間帯と最終列車の繰上げについては,平日ダイヤに準じる.
石山坂本線では,平日ダイヤの昼間時間帯において,一部列車の運転区間を見直す.現行では石山寺—坂本比叡山口間を10分間隔で運転しているが,変更後は石山寺—坂本比叡山口間を運転する列車と石山寺—近江神宮前間を運転する列車をそれぞれ10分間隔で交互に運転する.土休日についても平日に準じ,昼間時間帯の見直しを実施する.なお,大津線においては始発・最終列車の変更や大きな変更を行なわない.
2021(令和3)年冬以降には,石山坂本線において,沿線の学校が休みとなる春季・夏季・冬季期間の平日に「学休期ダイヤ」を導入する.これにより平日7時〜9時台については,通常ダイヤから本数を減らして運転する.
このほか,「安全安心」の提供を基本方針としたうえで,新技術の導入や運営体制の効率化など「構造改革」に関する施策を進める.「安全安心」については,順次進めている駅施設のバリアフリー化対応として,2021(令和3)年7月から鳥羽街道駅の新たなバリアフリー化工事(スロープの新設)に着手する.2021(令和3)年度中には,京橋駅1・2番線において,ホームドア設置を進める.
また「構造改革」については,同じく7月から橋梁などの鉄道設備の点検に,ドローンを活用する取組を本格的に開始し,高所作業の削減や,データ蓄積による故障予測など,より効果的・効率的な運営体制を目指す.
一部の写真は京阪電気鉄道のニュースリリースから