インテリアデザインのコンセプトは，「優しく安心感のある快適な移動空間」とし，全車両に車椅子スペース（画像内①）と全編成に車椅子対応トイレを設置する．優先席を必要とする乗客や車椅子利用者などが安心して乗車できるよう，優先席の床面などの色分けや車椅子スペースの床面表示し，それぞれのスペースを明確にする（画像内②）．
　車両床面は高さを低くし，乗降口の車両端部をホーム側に傾斜することで，車両とホームの段差を縮小する（画像内③）．

　あわせて，カラーユニバーサルデザインに対応したフルカラー液晶ディスプレイの車内表示器を設置し，駅の階段位置や運行情報などを視覚的に表示する（画像内④）．車内防犯カメラは1両につき5ヵ所，非常通話装置を1両につき3ヵ所設置する（画像内⑤・⑥）．
　冷房装置については，冷房能力を211系よりも約3割向上させ，AIによる自動学習・制御最適化機能を国内で初めて導入する．これは，315系全車両の温度・湿度・乗車率などの車上データを地上のサーバへ送信し，サーバ内のAIにより最適化した冷房制御を行なうもの．あわせて，冷房装置の動作状態を車両から車両基地などへ常時送信し，故障の予兆段階で迅速なメンテナンスを行なうことで，故障を未然に防ぐ（画像内⑦）．
　座席幅は211系と比較して，1名あたり1cm拡大し46cmとする．腰への負担が少ない理想的な姿勢をサポートする座席形状を採用し，座席背もたれに窪みを設けるほか，色の濃淡を付けることで座席スペースをわかりやすくし，透明ガラスを上部に採用した大形袖仕切りを座席端部に設置する（画像内⑧）．
　車内は空間の広がりによる開放感を感じられるよう，天井を高くし，床面の色を中から外に向かって色を濃くし，グラデーションとする．このほか，赤外線・紫外線を99％カットする遮熱・遮光ガラスを導入し，カーテンは廃止する（画像内⑨）．

※画像はいずれもJR東海のニュースリリースから