東京地下鉄(東京メトロ)は,株式会社ZMPの開発する無人警備・消毒ロボット「PATORO」を活用した駅構内消毒の実証実験を実施したと発表した.
現在東京メトロでは,新型コロナウイルス感染症の感染予防対策として,駅社員や清掃員が駅構内設備の消毒を行なっているが,より効果的で効率的な消毒を実施すべく,ロボット活用の検討を進めており,消毒ロボットの有用性などを確認するため,駅での実証実験を実施した.
実証実験で使用した消毒ロボットは,ZMPが開発してきた自律移動技術を応用し,人が歩行する程度の速度で走行する低速自動運転が可能で,あらかじめ設定されたルート上を障害物を避けたり一時停止することにより,安全に自動走行する.
実験は,2020(令和2)年6月12日(金)の終電後に,有楽町線月島駅で行なわれた.消毒対象物は,化粧室内の手すり,券売機付近のカウンターで,事前に取得した駅構内3Dマップをもとに,設定した消毒対象物まで移動し,低速走行をしながら対象物に消毒液を噴霧することを確認した.一方で,消毒液散布器の向きが固定され,それぞれの消毒対象物の高さに自動で対応できないなどの課題が抽出された.
今後,抽出された諸課題の再検証を実施するとともに,今回消毒対象外とした券売機や昇降機などに対する消毒対策についても検討を進めるとしている.
※「PATORO」は株式会社ZMPの商標です.
写真はいずれも東京メトロ提供